以前には、対立するコンセプトだと考えられていた「サステナブル」と「ラグジュアリー」。かつては、ラグジュアリーな休暇とは贅の限りを尽くす豪華なバケーションを指し、エコな旅と言えば質素なキャンプ場のイメージが付き物でした。
しかし、それも過去の話。世界は早足で変化しており、年を追うごとに人間が地球に与えている影響と母なる星を守る責任は、ますます人々の意識に上るように。こうした共通の認識は当然ながらラグジュアリートラベル業界にも波及し、自分たちの休暇が環境破壊を招いてはいけないという考えが旅行者の間にも広まり始めています。
リサーチグループの アルティアント(Altiant)が最近行った調査によれば、同社が聞き取りをした欧州、北米、アジアの富裕消費者層のおよそ半数が、環境を守るためなら旅行の支出が10パーセント増えても構わないと答え、3分の1以上がサステナビリティを優先する旅行には進んで10パーセント以上多く支払うとしています。
ここで、朗報です。旅行で得られる体験の質を落とさなくても、旅行の負の影響を簡単に減らすことは可能です。グローブ・トロッターは、サステナブルな旅行とは旅そのものを超えて広がると考えます。それは、「ひとつのケースを生涯の友に」という考え方をどこよりも早く打ち出したからに他なりません。
実際、グローブ・トロッターのスーツケースはかねてより、その耐久性ゆえにいつでも、深い愛情を注がれてきました。高名な心臓病専門医であるティモシー・カウニハン博士は1960年代、世界各国のステッカーが一面に貼られた紺色のグローブ・トロッターのケースをダブリンの自宅に持ち帰ってきたとき、スーツケースの上に乗って何度も飛び跳ねてみせ、その頑丈さを証明しました。
さらに、グローブ・トロッターのケースは時代遅れにならないという安心感をもたらしてくれます。英国陸地測量部の調査員の草分けであるジョン・エバンス氏が、トロピカルな服飾専門店で初めてのスーツケースを購入したのは1956年のことでした。このケースは2004年に至るまで、堂々と現役を務め上げました。息子たちが全寮制学校に入学する際には全員、エバンス氏愛用のグローブ・トロッターのケースを1つずつ持たせたといいます。
もしサステナブルなスーツケースをお探しならば、グローブ・トロッターにお任せください。さらに、サステナブルな旅行の計画を立てたい方も、グローブ・トロッターがお手伝いします。以下で、今年のラグジュアリートラベル界を席巻すること間違いない5つのサステナブルトレンドをご紹介します。
1. 炭素排出の少ない旅行
サステナブルな旅行の前に立ちはだかる最大の難関は明らかに、旅行自体が持つ負の影響です。よほどの世界の流れに無関心な人でない限り、旅行者のカーボンフットプリントについて切実に感じているでしょうし、飛行機に乗るたびに膨大な量の炭素を排出しているのは事実です。
スウェーデンで生まれた「フリュグスカム」(flight shame=飛び恥)という言葉は瞬く間に世界へ広がり、旅行しようとする人は飛行機に乗るたびに道徳的なジレンマに陥っています。しかし、「カーボンフットプリントを低減させる」とは、まったく飛行機で旅行しないことを意味するわけではありません。もちろん、できるだけ車、電車、船で旅行するよう推奨する方針に変わりはありませんが、他にも飛行機旅行の悪影響を減らせる方法はたくさんあります。
まず、環境への負荷軽減に配慮した航空会社を選ぶことから始めてみましょう。サステナビリティを優先課題とする航空会社はますます増えており、その多くが画期的なプログラムを導入しています。デルタ航空は、2050年までに化石燃料による炭素排出量を半減させる誓約を掲げており、キャセイパシフィック航空は使い捨てプラスチックの使用の削減とバイオ燃料の導入に取り組んでいます。また、燃料効率化の技術で業界の先駆者であるアラスカ航空は、環境技術研究プロジェクトに資金を提供しています。
もっと踏み込んで炭素削減を支援したい方は、クール・エフェクト や アースリーなどのプログラムを通じて、炭素排出をオフセットできます。そして、カーボンフットプリントの削減は、飛行機で目的地に到着した後も続きます。サイクリングツアーは燃料を使わず、未知の場所についてさまざまな発見をするのに絶好の方法です。電車とバスはタクシーよりもはるかに優れていますし、普段の生活に溶け込みながら地元文化を垣間見ることができます。
つまり、少しの配慮で、カーボンフットプリントの相殺は可能だということです。罪悪感なく旅行を楽しみたいなら、大いに取り組む価値があるでしょう。
2. 自然とのつながりを取り戻す
かつて、「自然とのつながりを取り戻す」とは「ビーチでのんびりする」とほぼ同じ意味合いでしたが、今日では様相が一変。ひと昔前のスタイルのアドベンチャー、環境に負荷をかけないバケーション、生物多様性の回復をサポートする旅を求める人が後を絶ちません。2019年、マーケットリサーチ企業のユーロモニター は「ラグジュアリートラベルを望む人たちは、エコを意識した価値観に即した体験を求めている」と先見の明ある分析をしました。2023年が始まった今、この傾向は衰える気配を見せません。
長い間、休暇といえばショッピング三昧やギャラリー巡りが定番でしたが、多くの旅行者が自然な環境に身を浸す方が良いことに気づき始めています。
川や湖のカヤック旅行は近年大きな盛り上がりを見せており、一方でハイキングやサイクリングツアーは引き続き人気を高めています。こうしたアドベンチャーでは、人のいない環境で自分を取り戻すことに重点が置かれ、これまでのような休暇では得られなかった充足感を味わえます。全力で楽しみたいなら、お気に入りのホテルお気に入りのホテルに閉じこもるのをやめて、星空の下でキャンプしてみては?自然にすっかり身を委ねる感覚には、何物にも代え難い魅力があります。
もちろん、他にも自然の世界と再びつながる方法はたくさんあります。年に一度の海外スキーホリデーの代わりに、もっとサステナブルな冬のアウトドア旅行を選ぶのもそのひとつ。スカンジナビアやスコットランドなど近場のウィンタースポーツを楽しめるスポットに出かけるのはいかがでしょう。または、従来の観光により損なわれた生物多様性の回復を目指す「ネイチャーポジティブ」をサポートする休暇を検討してみましょう。
いろいろ問題はあっても、まだまだ旅行を楽しめる可能性は大いにあります。ただし、地球を守るための努力を続けていくことが前提です。
3. 地元に根ざす
観光業は長きにわたり、富裕旅行者層を経済的にあまり発展していない国への旅行に向かわせてきました。観光業が国の経済成長の牽引力であった一方、利益は常に地元経済にまで回るわけではありませんでした。
この事実が知られるにつれて、旅行者は地元へ還元する形で旅行を計画する努力を払うようになっています。こうした動きは地域に莫大な恩恵をもたらしますが、それが唯一の目的ではありません。地元に根ざしたバケーションは地域社会への利益を生む力になると同時に、現地でしか味わえない心に残る体験を楽しむ機会も与えてくれます。
さまざまなやり方で、旅行を通じて地域社会を支援することができます。代理店が企画したツアーに参加して多国籍チェーン店で食事をするのは止めて、地元ガイドを雇い、近所の食堂を訪れてみましょう。ホームステイはホテルの代わりとなる優れた宿泊手段ですが、多くのリゾート施設も地元に還元できるプログラムを設けています。ビーチ清掃活動や半日ボランティアに参加したり、地元の自然保護活動を支援するプログラムを利用してみましょう。
地元文化に触れるのもお勧めです。時間をとって地域の歴史を学び、あまり知られていない名所を訪れることは、伝統と文化遺産の保護と保全につながります。
観光地の地域社会は観光業によって、ダメージを受けるのではなく、繁栄に向かうべきです。そして、小さな努力の積み重ねが、長く続く影響を生み出します。次のバケーションは地元に根ざした旅行を計画しましょう。思いもよらない発見に出会えるかもしれません。
4. エコを意識する
ラグジュアリートラベルを好む人たちは、「エコなホテル」という形容詞を警戒しがちです。「環境に配慮する」とは長年、体験の質を犠牲にすることを意味してきた状況を考えれば、それも当然だと言えるでしょう。水漏れがしてぬるま湯しか出ないシャワー、屋外トイレ、素晴らしいとは言い難い施設で過ごすことと同義だったからです。
しかし過去数年間で、すべては大きく変化しました。サステナビリティをめぐる懸念が高まる中、ラグジュアリートラベル業界は、環境を保全するアプローチの取り入れ方を模索してきました。豪華なウェルネスリトリート、エコリゾート、キャノピー&スターズのようなグランピング施設が世界中に次々と誕生し、環境を傷つけるのではなく守る助けとなる宿泊を選べる豊富なオプションを旅行者に与えています。
サステナブルなホテルとリゾートの運営を可能にするには、多様な方法があります。プラスチックの使用を止め、ゲストに節電や節水を呼びかけ、自然環境を保護するなどは、その一例です。文化を守る、つまり観光業が地域社会にダメージを与えないように注意することも同じく重要です。地元からの採用に取り組み、スタッフの職業研修を行うことを通じて、有意義な違いを生み出せます。
ブッキング・ドットコムは先ごろ「サステナブル・トラベル」バッジを導入しました。これにより、旅行者はサステナビリティに関する取り組みを実施している施設を簡単に探せるようになりました。一方、数々の優れたホテルが変革的なプログラムで業界をけん引率先しています。
ソネバの例を見てみましょう。一貫して自社施設のサステナビリティに取り組んできたソネバは、廃棄物を資源として有効活用する先駆的な活動を通じて、2018年に40万ドルを生み出すことに成功しました。岩塩、粘土、麦藁を混ぜたケルシャフ(Kershaf)製の壁が見事なエジプトのアドレーレ・アメラールでは、電気を一切使用していません。また、ティエラ・パタゴニアは宿泊客1人につき木を1本植える活動を行っています。
世界各国のホテルが、独創性に富んだ新しいプログラムを導入し始めています。エネルギーを大量消費するホテルチェーンは避け、自然保護に協力できる別の宿泊施設を選ぶのはいかがですか。きっと、晴れ晴れとした気持ちで旅を楽しめるでしょう。
Photography featuring the Centenary XL Suitcase provided by Daisuke Akita.
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