Place with GLOBE TROTTER

グローブ・トロッターのあるところ
ISSUE.06 YOSHIHITO SAKAYA
PHAETON 坂矢 悠詞人
ISSUE.06
YOSHIHITO SAKAYA

06 YOSHIHITO
SAKAYA

PHAETON

坂矢 悠詞人

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

“時代を超越した比率のいいデザインと機能性”

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

OVER
100 YEARS
OF HISTORY

1897年創業。その100年をこえる歴史の中で本物を知る著名人たちに選ばれ続けているグローブ・トロッター。品格のある佇まい、使い込むほどにその人ならではの歴史が刻まれ、深まっていく魅力。そうした本物のラゲッジは、旅先での経験を特別なものにしてくれるだろう。

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

様々なスーツケースを試した中で、
グローブ・トロッターだけを
今も使い続けている

セレクトショップ、フェートンをご存知だろうか。日本海に面した自然豊かな石川県加賀市に構えるこのセレクトショップは、国内外から足繁く通うコアなファンを多く抱えている。目の肥えた人たちが心の渇きを潤すようにこのお店に引き寄せられるのは、選び抜かれたアイテムラインナップはもちろん、オーナーである坂矢悠詞人さんの目利き力と語り部のような接客を一度味わうと忘れられないからだ。自らの目で見定め、自ら使って納得したものだけを店頭に並べる坂矢さん。そんな彼が数々のスーツケースをこれまで使ってきた中で今も手元に残しているのがグローブ・トロッターだという。

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

「10代の頃からアメリカやヨーロッパに行ってものの買い付けをしていました。それを日本に持ち帰り、当時代々木公園で行われていたフリーマーケットなどで売っていたんです。その活動が今のフェートンに繋がっています。買い付けたものを持ち帰るためにはスーツケースが必要なわけで、さまざまなケースを試してきました。ですが、10年を超えて手元に残っているのは、軽くて丈夫なグローブ・トロッターのケースだけでした。一番最初に手にしたモデルの型番は忘れてしまいましたが、とにかく大容量なオレンジ色のものでした。そのケース一つだけを持って世界中に買い付けに行っていました。そのオレンジのケースは友人に譲ってしまったのですが、10年ほど前にロンドンのマーケットで瞬目ぼれ(坂矢がよく使う言葉で、一目惚れよりもより早く一瞬でものに魅了されること)したのがこのアンティークのケースでした」。

“移動するタンスのような、真のラグジュアリーケース”

“移動するタンスのような、
真のラグジュアリーケース”

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人
グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

わずか4年間だけ作られた
幻のドイツ製モデル

そう言って坂矢さんが見せてくれたのは、長年使い込まれたヴァルカン・ファイバーの表情がもはや金属のような重厚感を纏っているアンティークのケース。よく見るとロゴの周りに「Made in Saxony」と刻印されている。本人も詳しくは知らなかったようだが、この刻印を頼りに取材時に調べてみると驚きの事実が判明した。なんとグローブ・トロッター創業当時の1897年からわずか4年間だけ本国イギリスではなくドイツザクセン工場で作っていた幻のモデルだったのだ。

「相当やばいものだったんですね。瞬目ぼれして買っているので、買う時に詳細を調べたり吟味はしないんですよ。ものが秘めているオーラを瞬時に感じ取って買うので、このケースが実はこれほど貴重なものだったという具体的な情報は今知りました(笑)。買う前に吟味すると余計な情報をインプットしてしまうので、直感で買えないことが勿体無いなと思うんです」。

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

120年以上も昔の個体である坂矢さんのスーツケース。取っ手は長年持ち運ばれたことで握った手の形に馴染んで湾曲し、角やヘリ部分のパーツも表情豊かな歪みを見せている。経年変化こそしていれど、何よりもデザインは現行のモデルとほぼ変わらない事実に驚かされる。

「グローブ・トロッターは“比率”がいいんです。直線や曲線、パーツの比率がいいので、デザインとして完成しているんです。だから今もデザインを変える必要がないわけですね。1894年だとか2024年だとか関係なく、時代を永久に超越したケースなんです。洋服もメガネもカメラもそうですが、結局は比率なんです。例えば洋服作りで重たい生地を使ったとしても、パターンの比率が良ければ着心地は軽いんです。1ミリ単位の世界の話になりますが、比率が全てなのです。手馴染みがいいのはもちろんですが、目馴染みがいいんです」。

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

比率がいいということは、
間がよく、センスがいいということ。

グローブ・トロッターのケースは1897年の創業当時から今も変わらず手作業で作られているが、ほかに類を見ないその事実の本質が坂矢さんの話から腑に落ちた。

「比率がいいということは、“間がいい”ということです。それはつまりセンスがいいということなんです。グローブ・トロッターはケースに必要な条件を過不足なく揃えています。つまり、いかに軽量で、丈夫で、より多くのものを運ぶことができるか。頑丈さを得るために骨となる部分をパーツに加えがちですが、ヴァルカン・ファイバーを開発することでボディ自体を強化し、骨のパーツがなくても頑丈さと容量を生んだことは大発明なのです。あくまで僕の憶測ですが、グローブ・トロッターのケースはドア・トゥ・ドアの移動をして、スーツケースはポーターに持ち運んでもらうような富裕層が使うことを想定していたのだと思います。だからホイールは必要がなかったわけですし、もはや移動するタンスなのです。真のラグジュアリーなケースではないでしょうか。僕はこのケースに大切なものや思い出深い手紙などを入れてあり、宝箱のようにお店に置いています」。

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人

ファッション業界だけでなく、実に様々な業界の一流達も足繁く通うフェートン。オーナーである坂矢さんの審美眼で選び抜かれた間違いのない極上品が並んでいることはもちろん、彼のストーリーテリングの強さも醍醐味の一つ。そんな坂矢さんが厳選したグローブ・トロッターのケースの販売イベントをフェートンで開催予定だ。ぜひ現地へ足を運んでいただき、坂矢さんとの会話からグローブ・トロッターのさらなる魅力を探求してはどうだろうか。

Pop-up Store at PHAETON

4/13 sat – 14 sun

・坂矢悠詞人セレクトによるケースの販売
・ビスポークオーダー会(事前予約制)
・ヴィンテージやコラボモデルの特別展示

PHAETON
922-0406 石川県加賀市伊切町い239
TEL. 0761-74-1881
www.phaeton-co.com

坂矢 悠詞人

YOSHIHITO SAKAYA

PHAETON

石川県にてセレクトショップ「フェートン」や紅茶専門店「ティートン」、香水専門店「フェートンフレグランス ロングバー」など数々のショップをディレクションする。昨年末に完成した新店舗「5TON(ゴトン)」は完全予約制で、坂矢さんが直接接客するプライベートサロンになっている。

グローブ・トロッターのあるところ 06 YOSHIHITO SAKAYA PHAETON 坂矢 悠詞人
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FEATURED PRODUCTS

1897年から愛される
完成された比率のデザイン

創業時から同じ製法で作られている“オリジナル”のシリーズ。機内持ち込みも可能なキャリーオンサイズのため、ショートトリップなどで重宝できる。坂矢さんが持っているものは1897年からの4年間だけ、本国イギリスではなくドイツのザクセン工場で作られた希少モデル。ホイールも付いていない初期の形である。現行モデルは2輪だけでなく4輪のタイプもあり、伸縮式トロリーハンドルも付いているため機能性が向上している。

ORIGINAL

Carry On

オリジナル キャリーオン

¥165,000

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