グローブ・トロッター メルボルン・ガイド

02 May 22

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グローブ・トロッター メルボルン・ガイド

オーストラリアはほぼ2年ぶりに旅行客の受け入れを再開します。そこでグローブ・トロッターは、スウェーデン生まれ、メルボルン在住の写真家で熱烈なモーターサイクリストのスヴェン・エセルグロス氏に、太陽が燦々と輝く海岸沿いにあるビクトリア州都の知る人ぞ知るエリアを紹介してもらうことにしました。

私がそうしたように空港からメルボルンへ入る場合、曲がりくねった長いウェスト・ゲイト・ブリッジのトップに来ると、ようやく街の風景が目に飛び込んできます。橋の頂上から目の前に広がるのは、メルボルンのスカイラインとガラスの壁面が反射してきらめく真っ青な太平洋。そこからうねりながら立体交差する高架道路を走ると、そこはもうサウスバンクの中心街。そびえ立つ高層ビル群が美しい朝陽を遮り、日陰を作っています。美しく機能的で、落ち着いた市内の新たな商業センターは、今もさらに高く空へ向かって建設が進められています。東へ進むとビル街が突如途切れ、いつの間にか緑に覆われたヤラ川の川岸を走っています。メルボルンはこの川沿いに造られてからまだ200年も経っていませんが、今朝は伝統を誇るボートチームがずっと昔からそうしていたかのように、端正な川岸に沿って漕いでいます。メルボルンの魅力はここにあります。英国から受け継がれた伝統が、この新世界でも見事に輝き続けているのです。

建築物は街の歴史を物語っています。堂々としたネオゴシック様式のセント・ポール大聖堂は、かつてはその壮麗さで威容を誇っていましたが、シカゴやマンハッタンを思わせる戦前の鉄とコンクリートでできた高層ビルと並ぶと(少なくとも大きさという観点でみると)影を潜めています。対岸のサウスバンクにはガラスを多用した今世紀の建築物が立ち並び、他を圧倒しています。ヤラ川沿いのこうした建築群を眺めると、メルボルンのさまざまな出来事や活気に満ちた過去が目に浮かびます。

メルボルンの謎多き創立者ジョン・バットマンや伝説の犯罪者ネッド・ケリーのような、歴史上の人物のエピソードを聞きながら回るウォーキングツアーが数多くあります。大通りを歩いていると、メルボルンが、粗末な建設当初の姿から、ゴールドラッシュ後にロンドンに次ぐ最も豊かで人口の多い都市へと変貌を遂げた過程が見て取れます。ウォーキングツアーの多くは、宮殿のようなカールトン庭園で終わります。木陰に座るメルボルンの裕福な人々に囲まれながら王立展示館を見上げると、黄金時代の住人たちが素晴らしい環境の中で暮らしていたことを想像できます。毎年3月にはメルボルンのファッションフェスティバル、VAMFF(Virgin Australia Melbourne Fashion Festival)がここで開催されます。さまざまな民族の参加者たちがショーの前にこの広場を闊歩している様子は、150年以上前の華やかな上流社会を彷彿とさせます。地元の高級服メーカーは注文に追われて忙しいようです。彼らの顧客たちのスケジュールは、競馬のメルボルンカップやテニスの全豪オープン、自動車レースのオーストラリアグランプリやクリケットの有名なボクシング・デー・テスト・マッチなど、世界的に有名なスポーツの大会で埋め尽くされています。地元の人がそうした高級服に身を包み、世界のどの都市よりも素晴らしいメルボルンのブランチを悠々と楽しんでいる様子を目にすることも少なくありません。

何事も1万時間かければ熟達できると言われていますので、私はブランチについてアドバイスできますよ。バーやブティックが3キロメートル以上にわたって軒を連ねる郊外のチャペル・ストリートとのどかな王立植物園の間に、サウス・ヤラの高級住宅街があります。一面ガラス張りのダーリンカフェ(Darling Cafe)でスペシャルコーヒーを味わいながら行き交う人々を眺めるのもよし、チャペル・ストリートを下ってルスティカ(Rustica)に入るのもよいでしょう。ここはベーカリーを併設したブランチスポットで、店名(ルスティカ=田舎風)よりもずっとシンプルで洗練されたところです。ここのブランチはロブスター・エッグ・ベネディクトやクイニーアマン(バターたっぷりのペイストリーに塩キャラメルをかけたポーチドフルーツとクレーム・シャンティイを添えたもの)など、立派な食事です。ブランチでは物足りないなら、通りをさらに5分歩いてアバカス・バー・アンド・キッチン(Abacus Bar and Kitchen)へどうぞ。アールデコ様式のゴールドと艶のあるチーク材のインテリアに、大理石のテラスの木が生い茂る中で、ブレイズドブリスケット(甘い味噌に漬け込んで焼いた牛肩バラ肉)に炭焼きチコリとガーリック炒めを添えて召し上がれ。

あまり気取らないところがよければ、北のフィッツロイがお薦めです。赤レンガの工場に挟まれた角にプラウドメアリー(Proud Mary)があります。店内やテラスにはインディーズ・ファッションに身を包んだクリエイティブ業界の人々が集い、気さくな店員たちが心休まるフードやミルク入りコーヒーを給仕してくれます。その1ブロック先にはシンプルなコーヒー専門店のアーンティ・ペッグ(Aunty Peg)が、3種類のコーヒー豆をカウンター奥のグラインダーで挽き、エスプレッソやフィルターコーヒー、コールドブリューコーヒーとして売っています。カウンターにはホッパーの入ったガラスのドアのフリーザーがあります。バリスタによれば、冷凍した豆は香りが失われず、均一に挽けるのだそう。ここのコーヒーはブラックなので、念入りに抽出されたフレーバーを堪能できます。気さくにランチを楽しみたければ、その近くのショップ・ラーメン(Shop Ramen)で心温まるスープヌードルはいかが。スパイシーでクリーミーな韓国味噌のラーメンは絶品ですよ。

アボッツフォード近郊には、地元のモーターバイクガレージのカスタムコミューン(Kustom Kommune)があります。900人以上の熱心なカスタム・バイク作りの愛好家をメンバーとする地元のモーターバイクガレージで、ここではバーベキューを楽しめ、メンバーが運営するコーヒーバーと旅行関連会社もあり、同じ趣味の仲間に出会えます。そこでしばらく過ごすと、最初は何の変哲もない工業地に見えたところが、実は一風変わった素晴らしいところだと気づきます。人気のムーン・ドッグ・クラフト・ブルワリー(Moon Dog Craft Brewery)やオールドキャラバンの石焼ピザ、それにスーパーボウル(Super Bowl)では町一番のフォーを楽しめますよ。

 

スヴェン氏が選ぶグローブ・トロッター

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