夏のシャンパーニュ地方(フランス)ガイド

11 Jun 19

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Globe-Trotter's Guide To Summer In Champagne - GLOBE-TROTTER

シャンパンの栓が弾ける音ほどイベントやお祝い気分を盛り上げる音はありません。夏の到来を祝し、今回グローブ・トロッターはSEARCYS(サーシーズ)とタイアップし、ロンドンのセント・パンクラス駅構内にあるSEARCYSの豪華なシャンパンバーにて「旅というアート」をテーマとしたポップアップ展示を行います。そこで、SEARCYSの飲料大使こと経理部長のジョエル・クラウストレ氏に、フランスのシャンパーニュ地方でのキラキラと輝く旅のヒントを伝授していただきました。

シャンパン:何世紀にもおよぶ歴史

シャンパンはその出所や歴史がすべてです。300年間も同じ製法が守られてきました。究極的に言えば、シャンパン造りはひとつの芸術なのです。法的には最低1年半以上という醸造期間が設けられていますが、実際にはどのシャンパンボトルも平均3年間の醸造期間を費やして造られています。これほどまでに長い製造期間を要するものであること自体がシャンパン造りの繊細さを物語っていると言えるでしょう。

究極のラグジュアリー

シャンパンはコストの高い品物です。1ヘクタールの葡萄畑はおよそ150万ユーロ分のシャンパンに相当します。昔から貴族など上流階級がたしなむ飲み物であり、多くの人々がそのような贅沢に憧れ続けていることがラグジュアリーアイテムとして在り続けている理由だと思います。イギリスではアメリカよりも多くシャンパンを消費し、世界第2位のシャンパン市場を誇ります。イギリスでのシャンパンの需要は大変高いです。「ブリュット(辛口)」、「ドゥミ・セック(甘口)」、「ブラン・ド・ノワール(黒葡萄のみで造られたシャンパン)、さらにはヴィンテージかどうかなど、こだわり始めるとシャンパンの奥深さがよく解ってきます。SEARCYSではマエストロクラスやプライベートクラスなど、シャンパンへの情熱と知識をより深めていただけるようシャンパン講座を開催しております。

ヨーロッパへの玄関口

シャンパーニュ地方は大変広大ですが、ロンドンからそう遠くはないことが大きな利点です。セント・パンクラスはまさにヨーロッパへの玄関口です。セント・パンクラス駅からパリまでユーロスターでダイレクトにアクセスでき、パリに到着後、徒歩6、7分ほどかけて別の駅で電車を乗り換えると、わずか40分でランス(Reims)に到着します。モンターニュ・ド・ランス地区(そしてランス市)はシャンパーニュ地方、ひいてはシャンパン製造の中心地です。Mumm(マム)、Perrier-Jouët(ペリエ・ジュエ)、Veuve Clicquot(ヴーヴ・クリコ)など、有名メゾンがこぞってランスに拠点を置き、ピノ・ノワール種の葡萄産地、そして最もフルボディなシャンパンの産地としてよく知られています。第二都市のエペルネ(Épernay)は首都ランスよりは小規模ながらチャーミングな街です。エペルネのコード・デ・ブラン地区にはシャルドネ種の葡萄畑が広がり、発泡シャンパンの産地として名高い土地です。シャンパーニュ地方は、モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブラン、コート・デ・バール、そしてコート・ド・セザンヌの主に5つの地域に分けられ、ランスとエペルネが主要2都市となります。両都市とも週末などの数日で充実した観光や散策をすることができます。また、この主要2都市の周囲にも多くの村が点在しており、村々はそれぞれに個性的な魅力に溢れています。

両方の好いとこ取り

どのシャンパンメゾンも独自のスタイルを持ち、人はそれぞれの好みの味があります。バイヤーとして私は多様なスタイルや味を理解し、すべてを楽しみたいと思っています。 シャンパーニュ地方は、例えば、ブルゴーニュ地方とは違い、大きなメゾンが所有している葡萄畑はわずか10~15%です。大きなメゾンはシャンパーニュ地方全体から葡萄を調達しているわけです。結果として多種の葡萄のブレンドが出来上がります。シャンパーニュ地方の生産者様式は半々に分かれており、全体の50%の生産を大きなメゾンが占めており、残りの50%は昔ながらの家族経営の小規模農家となっています。小規模農家は輸出をしないため、フランス国内での流通販売が主な販路となり、フランス人消費者も大きなメゾンのシャンパンよりも小規模農家のシャンパンを購入する傾向にあるため、小規模農家は確固たる市場を維持しています。近年、SEARCYSではVeuve Fourny(ヴーヴ・フルニ)やPaul Déthune(ポール・デテュンヌ)など、小規模農家のシャンパンも提供し始めました。大変興味深いプロジェクトとなっています。

ベストシーズン

シャンパーニュ地方への旅のベストシーズンはおそらく晩春から夏にかけての季節でしょう。この季節には葡萄畑でせっせと働く農家を多く見かけますが、決して苦労している様子ではなく、のんびりとした雰囲気が漂います。葡萄の収穫は9月半ば頃から始まります。冬になると丘陵や葡萄畑に霜が降り、寒い季節でも十分に見応えのある美しい景色が楽しめます。 シャンパーニュ地方は昔からグルメでも有名であり、幾つかのミシュラン星レストランや五つ星ホテルも存在します。フランス南西部の重たい料理に対し、シャンパーニュ地方の料理は比較的、軽やかです。そして、もちろん、どのレストランにも名品揃いのシャンパンリストがございます。

SEARCYSとグローブ・トロッターとのコラボレーションによる「旅というアート」の夏季特別ポップアップ展示は7月15日より開催されます。詳しくはSEARCYSのウェブサイトをご覧ください(searcys.co.uk)。

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