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落語家・柳亭小痴楽と作る、世界に一つのカスタムラゲッジ。

21 Aug 24

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落語家・柳亭小痴楽と作る、世界に一つのカスタムラゲッジ。

落語家・柳亭小痴楽と作る、世界に一つのカスタムラゲッジ。 

 

浅草演芸ホールをはじめ、日本各地の寄席で活躍する柳亭小痴楽さん。着物はもちろんスーツも自身で仕立てるほどで、持ち物へのこだわりはひとしお。ラゲッジもいいものをと、今回初めてのビスポークへ。内側はしっかり作り込み、外見は寅さんが抱える鞄のように長年使えるシンプルな相棒が仕上がった。

落語家・柳亭小痴楽とグローブ・トロッター

 

「これがいいけど、こっちもいい。ブレやすいなあ......」。
要望と提案を擦り合わせ、より魅力的な作りを目指す。

 

〈グローブ・トロッター 銀座〉のビスポークサービスでは、オリジナルのトラベルケースを作ることができる。ボディやコーナー、金具などの外装はもちろん、内側のライニング、ステッチの糸までお好みで、あらゆるサンプルを手に、数億通りの中から世界に一つのラゲッジをオーダーすることができる。銀座店では経験豊富なスタッフによる丁寧な説明のおかげで、理想にグッと近づくことができるのだ。

 今回、小痴楽さんが求めるのは雪駄や着物など落語家ならではの持ち物をすっきり収納できること。まずは、この要望をスタッフに伝えることからビスポークは始まる。

「使うのは主に独演会で遠方にいくときですね。仕事をしたら一旦東京に戻るということが多いので、1泊2日から2泊3日くらいが多いです。だから着物を2つ、雪駄を1足、あとは肌着、筆箱、コンタクトケース、龍角散ポシェット、本なんかを入れられたら嬉しい」。これまではキャスター付きのスーツケースやリュックを使ってきたという。「以前は師匠を待たせないよう、必ず機内持ち込みできるものにしていました」と落語家らしさを感じるエピソードも。

 

グローブ・トロッター銀座のビスポークルーム

 

ビスポークは店内の奥の専用スペースにて行われる。サンプルを手にまずはサイズ感から相談。今回の担当スタッフは佐野文利さん。

 

グローブ・トロッター銀座店内を巡る落語家・柳亭小痴楽

 

店内を巡り、目的にあったサイズを探す。手にとっているのは、1泊〜3泊の短期旅行や出張に最適で、多くのエアラインでの機内持ち込みが認められているキャリーオンスーツケース。

 

キャリーオンスーツケース

 

サイズ感を見極めるべく、荷物を詰めてみる。
着物が2着無理なく入るサイズ(W42 x H56 x D21cm)に決定。

 

 なかでも小痴楽さんきっての希望は、落語家の服装に欠かせない雪駄を収納するためのシューズケースを作ること。それを受けて佐野さんが取り出したのは、ビンテージのグローブ・トロッター 。「1930年代のモデルで、バレエシューズを入れるために作られたものです。内側に木箱を付けて靴を収められるようにしています。かなり昔の型でもあるので、ブランドの本国である英国の工場と相談してみないと、実際にできるかわかりません」と佐野さん。こうした細かなオーダーが相談できるのはビスポークならではだ。

  

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1930年代のバレエシューズ用のラゲッジを見ながら、雪駄の収納スペースを吟味する。
佐野さんのアドバイスのもと、蓋側に収納スペースを設けることに。

 

 ビスポークの途中で、ぶつかった悩ましい問題が「車輪」。すなわち、2輪か4輪か。小痴楽さんは断然4輪派ということだ。「これまで使ってきた慣れがあるし、そもそも2輪は動かしにくいじゃないですか」。対する佐野さんは2輪をすすめする。「グローブトロッターは車輪を外ではなく内側に作っています。見た目もすっきりするし使い勝手もいい。それに4輪より2輪のほうが、トロリーシステムをスーツケースの外側に取り付ける分内側のレイアウトの自由度が高いんです。パッキングもしやすいですよ」。改めてラゲッジを眺めれば、確かに車輪がほとんど目立っていないことに気が付く。「かっこいいなあ......2輪にします! それにしてもブレやすくってどうしよう(笑)」

   

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2輪のキャリーオンスーツケースは、斜めに倒すことで、可動性が高くなる。
ラゲッジ内側の生地を検討中。候補は約100種類にも及ぶ。

 

 

 

 

「外見はボロボロになっておじいちゃんになったときにかっこいいのがいいな」という小痴楽さん。だからとにかくシンプルにと、外を覆うベルトは取ることに。カラーについては佐野さんからこんなアドバイスが。「ネイビーはエイジングするとブルーのグラデーションが綺麗に出ますよ」。かくしてボディのカラーはネイビーに決定。8つのコーナーと取手のカラーはサンプルを眺めて吟味するも、最後はボディと同じくネイビーに落ち着いた。「遊び心のない人間ですみません(笑)」。

サイズ、車輪、外装、と大枠は見えてきた。しかし、「まだ半分は決めなきゃいけないことがありますよ」と佐野さん。最後はラゲッジの内側を検討だ。生地は大量のサンプルから、創業250年以上の歴史を持つ英国FOX BROTHERSのフランネル地「パピートゥース」をセレクト。雪駄用のシューズケースにも同じものに。さらに荷物をまとめる内側のベルト、折りたたみ部分の蝶番になるヒンジレザーはベージュの同系色でまとめた。最後に仕上がりイメージを確認して、オーダー終了。

 

落語家・柳亭小痴楽とグローブ・トロッター銀座ビスポークスペシャリスト

 

 数々のビスポークを対応してきた豊富な知見を生かし、オーダー内容を佐野さんがシートに書き込んでまとめていく。

 

 

 

 

洋装はもちろん和装にも。
シックな見た目と裏腹な、落語専用ラゲッジ。

 

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〈浅草演芸ホール〉の出番に〈グローブトロッター〉で。使用し始めて約1週間とあり、状態はまだまだ新品同然。
容量は見た目以上。右ポケットに雪駄がぴったり収納されている。

 

 オーダーから約6か月後。ついに完成品が小痴楽さんのもとに届いた。「すぐに荷詰めしてみましたよ。着物2セットはもちろん、雪駄ケースがぴったりで最高ですね」。ラゲッジの中身を見せてもらうと、ペンケースにネタ帳、コンタクト、眼鏡に財布など細々したものも小分けしてケースに収まっていた。

 悩んだ挙句に決断した、2輪の使用感は? 「すごく使いやすいんです。それにコーナーが傷まないか心配だったけど、交換もできるというので安心しています。佐野さんにアドバイスしてもらってよかったです」。

寄せに向かう、小痴楽さん。グローブ・トロッターと。

 

寄席に向かう、小痴楽さん。

 

グローブ・トロッターのビスポークスーツケース

 

2輪にも慣れたもの。隠れた車輪のおかげでご覧のとおりすっきりした見た目に。

 

 〈浅草演芸ホール〉の出番のときによく出歩いているという界隈は、小痴楽さんにとっては昔からの馴染みのエリア。「〈翁そば〉ではカレーそば。冷やしたぬきも美味しいですよ。〈洋食 ヨシカミ〉には子供の頃から通っています。一番食べてるのはポークソテーですかね」とローカルの味を教えてくれた。

 

落語家・柳亭小痴楽

 

着替えを済ませていざ舞台へ。
軽く開いたラゲッジもまた様になる。

 

 着物に着替えていよいよ出番前。ラゲッジは洋服姿はもちろん、和装にもよく映える。「『これこれ』ってなるようにじっくり育てていきたいですね。なんなら国際線でも敢えて預け入れて乱雑に扱ってほしいくらい(笑)」。

 

落語家・柳亭小痴楽

 

満員の〈浅草演芸ホール〉で。楽屋ではラゲッジが待っている。

 

柳亭小痴楽(落語家)

りゅうてい・こちらく/1988年東京都生まれ。五代目・柳亭痴楽の次男。16歳で落語界に入る。2019年9月下席より真打昇進。二ツ目時代は週に約10本ほど映画を観ていた時期も。

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【ビスポークサービスお問合せ先】
グローブ・トロッター 銀座
TEL 03-6161-1897
※ご予約のお客さま優先となります。
詳細はお気軽にストアスタッフまでお問合せくださいませ。

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