旅のプロが解説。海外旅行におすすめのスーツケース5選と選び方

27 Oct 25

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旅のプロが解説。海外旅行におすすめのスーツケース5選と選び方

海外旅行には欠かせない、スーツケース。セキュリティ対策や使いやすさなど、国内線利用時よりも詳しく知っておくべき注意点があります。

「初めての海外旅行、荷物の量と必要なスーツケースの大きさはどれくらい?」

「スーツケースのセキュリティ対策は必要?」

など、スーツケース選びのポイントでお困りではありませんか?

ここでは、海外旅行に最適なおすすめのスーツケースを厳選してご紹介します。こだわりの条件に合わせたスーツケースの選び方や、航空会社によって異なる預入可能な荷物の容量など、知っていると得する情報が満載です。

ぜひ最後まで読んで、最高のスーツケースを見つけてください。

海外旅行に最適なスーツケース選びのポイント

海外旅行に最適なスーツケースといっても、「国内旅行とどう違うの?」と疑問に思われる人もいるのではないでしょうか。もちろん国内旅行と共通点もありますが、本記事では特に海外旅行に最適なスーツケース選びについて、4つのポイントをお伝えします。

サイズと容量

スーツケースを購入する際に、まず確認したいのがサイズと容量です。小さすぎると帰りに荷物が増えて入りきらず、手荷物が増えてしまいます。逆に大きすぎてもスーツケースの中に隙間ができて、荷物がぐちゃぐちゃになってしまったり、移動に苦労したりといったトラブルの原因となります。

一般的な荷物量として、1泊あたり約10Lといわれています。この一般的な荷物量をもとに、旅行の期間別で必要なスーツケースサイズと容量をご紹介します。もちろん行先や同行者の人数などでも荷物量は変わるので、参考目安として考えてください。

 〇1~3泊→容量【20~40L】Sサイズ

〇3~5泊→容量【40~60L】Mサイズ

〇5~7泊→容量【60~80L】Lサイズ

〇1週間以上→容量【80L~】LLサイズ

スーツケースのサイズについては、こちらの記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

【記事リンクを挿入】スーツケースのサイズ選びマニュアル|旅の期間と荷物量で決める

素材と耐久性

必要なスーツケースのサイズが決まったら、次はボディの素材について見ていきます。海外旅行は飛行機利用時にスーツケースを預け入れる場合が多いので、すぐに壊れてしまわないよう素材の耐久性にもこだわって選びましょう。

スーツケースには、「ソフトタイプ」と「ハードタイプ」があります。皆さんがスーツケースと聞いてまず思い浮かべるのは、どちらでしょうか。

「ソフトタイプ」とはナイロンやポリエステルなど、主に布生地を素材としたスーツケースです。比較的軽量なものが多く、伸縮性があります。荷物が少ない短期の旅行や、機内持ち込み用の小さめのスーツケースにおすすめのタイプです。

一方「ハードタイプ」は、主にアルミニウムやポリカーボネート製で、表面が硬く耐水性がある素材のスーツケースです。ソフトタイプよりも頑丈で耐久性があり、飛行機への受託する場合はハードタイプのスーツケースをおすすめします。

下記に、ソフトタイプとハードタイプの特徴をまとめました。

タイプ

素材

メリット

デメリット

ソフトタイプ

ナイロン、ポリエステルなど

・軽量

・ポケットが多く収納性が高い

・衝撃に弱い

・雨などの耐水性が弱い

ハードタイプ

アルミニウム、ポリカーボネートなど

・衝撃に強く、精密機器を入れても安心

・密閉できるのでセキュリティ面で安心

・耐水性が高い

・重さがある

・伸縮性が低い

・狭い場所での開閉に不向き

機能性

スーツケースには旅行中の移動のしやすさ、安全性や収納に関する機能など、さまざまな注目ポイントがあります。スーツケースの機能性も、自分に最適な商品を選ぶために重要な要素です。ここでは、特に注目するべき4つの機能をご紹介します。

1.キャスター

キャスターは、重い荷物の入ったスーツケースを持ち運ぶ際に大事なパーツです。2輪キャスターと4輪キャスターの2種類があります。

2輪キャスターの場合、運ぶときにスーツケースを車輪のあるほうへ傾けて、ハンドルを持って移動します。4輪キャスターが付いていると、スーツケースを傾けることなく、垂直のまま滑らせることが可能です。

さらに60度回転できる可動性の高い4輪キャスターは、狭い場所の移動に便利です。キャスターにストッパーが付いているタイプは、揺れる電車や新幹線内で勝手に動かないよう固定できます。

2.拡張機能

ソフトタイプのスーツケースに多いですが、ファスナーでスーツケースを拡張する機能があると便利です。帰りに荷物が増えてしまったときも、拡張すればスペースに余裕ができます。

ただし広げた状態で機内へ持ち込む場合は、スーツケース全体のサイズが大きくなってしまうので注意しましょう。

3.開閉方法

スーツケースの開閉方法には、「ファスナータイプ」と「フレームタイプ」があります。

ボディにファスナーが付いているタイプは、先にご紹介した「拡張機能付き」のものが多く、入れられる荷物量を柔軟に変えられます。ファスナーをすべて開閉しなくても、荷物を取り出せるのがメリットです。一方で荷物を詰め込みすぎると、ファスナーがうまく閉まらないことがあり、壊れやすくなるので注意が必要です。

フレームタイプは、開閉部分に金属や樹脂製のフレームが付いていて、鍵がかけられるモデルが多くあります。海外旅行では、壊れにくく安全性の高いフレームタイプがおすすめです。フレーム部分のロックを外して開閉するので、広げるときに場所をとるのがデメリットです。

4.拡張機能

ソフトタイプのスーツケースに多いですが、ファスナーでスーツケースを拡張する機能があると便利です。帰りに荷物が増えてしまったときも、拡張すればスペースに余裕ができます。

ただし広げた状態で機内へ持ち込む場合は、スーツケース全体のサイズが大きくなってしまうので注意しましょう。

5.内装ポケット

内装部分にメッシュポケットや取り外し可能な仕切りがあると、小物を整理しやすく便利です。スーツケースを選ぶ際には、ぜひ開閉部分や内装も見て、利便性を確認してください。

セキュリティ対策

海外旅行では、日本国内より強固なセキュリティ対策が重要です。スーツケースに貴重品を入れることはあまりないとは思いますが、盗難に遭わないためにはしっかり鍵をかけておきましょう。鍵の種類は、主にダイヤル式と鍵式、その両方が付いたもの、そしてTSAロック機能があります。

TSAロック(TSロック)は、空港検査官(TSA職員)が持っているマスターキーで開錠ができます。特にアメリカへ渡航する場合は中身を厳しくチェックされるので、TSAロック以外の鍵がかかっていると、鍵を壊して開けられてしまいます。

近年ヨーロッパ諸国でもこのTSAロックを採用する国が増えています。これから新しくスーツケースを購入する場合は、TSAロックがついたものを選ぶと、あらゆる国への渡航に適応できます。

無料で受託できるスーツケースのサイズと重さは?

海外旅行では飛行機に荷物を受託する機会が多くなるので、国際線の手荷物規定について知っておく必要があります。

機内持ち込み用の手荷物サイズは、国内線も国際線も大きな差はなく、3辺の合計が115cm以内で重量が7~10kgです。ここではより規定が複雑な、受託手荷物に特化して解説していきます。

国際線の無料受託手荷物|重量制と個数制

国際線の無料受託手荷物規定は、大きく分けて「重量制」と「個数制」があります。1個あたりのサイズ制限は、どちらも3辺の合計が158cmまたは203cm以内が一般的です。それでは重量制と個数制の違いについて、簡単にご説明します。

〇重量制:1人あたりの手荷物量を総重量で規定する制度。制限重量以内であれば、荷物の個数は問わない場合が多いです。アジアの主な航空会社ではタイ国際航空、シンガポール航空、LCC(格安航空会社)の多くが重量制を導入しています。

〇個数制:1人あたりの手荷物量を個数で制限する制度。航空会社の定める運賃によりますが、1人あたりの手荷物制限は1個か2個です。荷物1個あたりの重量も決まっていて、多くの場合エコノミークラスは23kg以内、ビジネスクラスは32kg以内と規定があります。主に日本航空と全日空、中国系航空会社の国際線、欧米系航空会社の国際線において個数制を採用しています。

利用する航空会社の手荷物規定を、事前に確認しておきましょう。制限を超える荷物を預ける場合は、超過手荷物料がかかります。LCC(格安航空会社)の場合は、手荷物受託はすべて有料になる場合が多いので、より慎重に確認してください。

主要航空会社別の無料受託手荷物規定

主要な航空会社が定める、無料受託手荷物の規定を見てみましょう。一般的な、エコノミークラスの規定をまとめました。そのほかプレミアムエコノミー、ビジネスクラス、ファーストクラスと利用クラスによっても手荷物許容量が異なります。

ここですべてをご紹介するのは難しいので、航空会社を選ぶ際の参考にして頂き、実際に利用する航空券の規定をご確認ください。

国際線の無料受託手荷物【エコノミークラス】2025年9月17日現在

航空会社

個数

1個あたりの重量

3辺の合計

日本航空

2個

23kg

203cm以内

全日空

0~2個

(利用運賃と区間によって異なる)

23kg

203cm以内(2026年5月18日までの搭乗分、それ以降は158cm以内)

デルタ航空(アメリカ)

日本―アメリカ区間

1~2個

(利用運賃によって異なる)

23kg

158cm以内

ルフトハンザ航空(ドイツ)

日本―欧州区間

0~2個

(利用運賃と区間によって異なる)

23kg

158cm以内

シンガポール航空

重量制

制限なし

25kgか30kg

(利用運賃によって異なる

200cm(縦)× 75cm(横)× 80cm(高さ)

タイ国際航空

重量制

制限なし

23kgか30kg

(利用運賃によって異なる

制限なし

おすすめの海外旅行向けスーツケース5選

3~7泊以内の海外旅行におすすめのスーツケースをご紹介します。荷物が多くなりがちな海外旅行では、機内持ち込みではなく、預け入れ用のスーツケースサイズが便利です。

1897年に創業した英国発の老舗スーツケースブランド、グローブ・トロッターからおすすめを5つ厳選しました。

3~5泊【40~60L】

各航空会社の無料受託手荷物規定に収まる、海外旅行にちょうどよいサイズのスーツケースです。大きさに迷ったら、まずはこの40~60Lのスーツケースから検討してみてください。

1.センテナリー ミディアムチェックイン - 4ホイール

グローブ・トロッター創業100周年を記念して作られた、ブランドを代表する伝統あるコレクションがこの「センテナリー」シリーズです。ボディを一周する2本のレザーストラップと、レザーのコーナーが目を引くクラシックなデザインが特徴です。

グローブ・トロッターの他シリーズに比べても、カラーの選択肢が豊富にそろっている点が人気の理由です。ブラックやネイビー、レッド、チャコール、オリーブなど、多彩なボディカラーとレザーカラーの組み合わせから選べます。

落ち着いた濃いめのネイビーは定番の人気色。オレンジとブラウンレザーの組み合わせは、センテナリーシリーズの特徴を生かした明るくオリジナルの風合いがあり、おすすめです。レザー部分のブラウンが、全体の印象を引き締めてくれます。ほかにはない、自分だけのデザインを探したい人にぴったりのスーツケースです。

【製品仕様】

センテナリー

ミディアムチェックイン

外寸

本体サイズ

容量

4ホイール

W71 × H44 × D24 cm

W65 × H38 × D22cm

55L

ミディアムチェックイン - 4ホイール

2.サファリ ミディアム チェックイン - 4ホイール

「サファリ」シリーズは、1920年代にサファリを探検した冒険家をコンセプトにして誕生した、旅に出たくなるようなコレクションです。アイボリー、コーヒーブラウンの2色で、どちらもクラシックな色合いで落ち着いた雰囲気が人気です。

ボディには特殊加工が施された紙を何層も重ねた、「ヴァルカン・ファイバー」素材が使用されています。コーナー部分とハンドル、ストラップには、着色のないベジタブルタンニンを使ったナチュラルレザー(牛革)を採用。高級感あふれるデザインは、まるで宝箱のよう。軽量かつ丈夫で、使い込むほどに、レザーの色みが変化していく様子を楽しめます。

ホイールは4輪と2輪から選べますが、可動性の高い4ホイールがおすすめです。TSAロックが装備されていて、セキュリティ面も安心できます。

【製品仕様】

サファリ

ミディアム チェックイン

外寸

本体サイズ

容量

4ホイール

W42 × H68 × D26 cm

W38 × H60 × D26cm

60L

 サファリ ミディアム チェックイン

3.オリジナル ミディアム チェックイン - 4ホイール

創業時から続く、まさにグローブ・トロッターの「オリジナル」コレクション。シンプルで機能的なフォルムが特徴です。

ほかのシリーズと同じく、ボディは「ヴァルカン・ファイバー」を使用。コーナー部分もレザーではなく、ボディと同じヴァルカン・ファイバーでできています。

全体としてシンプルで洗練された印象のある、グローブ・トロッターの原点といえるスーツケースです。

 【製品仕様】

オリジナル ミディアム チェックイン

外寸

本体サイズ

容量

4ホイール

W42 × H68 × D26 cm

W38 × H60 × D26cm

59L

オリジナル ミディアム チェックイン

5~7泊【60~80L】

5泊以上、場合によっては7泊以上の長期旅行にも対応できる大きめのスーツケースです。ぎりぎりではありますが、無料の受託手荷物範囲に収まるサイズです。荷物量によっては重くなりがちなので、荷物を詰めた後、必ず出発前に重さを測って調節してください。

1.メトロポリス ラージチェックイン - 4ホイール

2025年3月に発表された新商品で、もっとも注目されているおすすめのシリーズです。グローブ・トロッターの従来のよさを生かしながら、現代の旅行スタイルに合わせて機能性を向上させました。

フレーム部分や骨組みには、新しい軽量アルミニウムフレームが使われています。今までの木製フレームからアルミニウムフレームへ刷新することで、より軽くて丈夫なスーツケースへと進化を遂げました。

すべてのサイズに、初めて「ジップインライニングシステム」という内装構造を採用。内側にある布地(ライニング)をダブルジッパーで装着しているので、ジッパーを外して洗濯や交換ができます。付属のパッキングストラップを活用することで、大量の荷物のパッキングもスムーズに行えます。

アメリカへの渡航に必須であるTSAロックが備わっており、あらゆる国への旅行に適応できます。

【製品仕様】

メトロポリス

ラージチェックイン

外寸

本体サイズ

容量

4ホイール

W52 × H76 × D26 cm

W48 × H74 × D26cm

78L

 メトロポリス ラージチェックイン - 4ホイール

2.サファリ ラージ チェックイン - 4ホイール

ミディアムチェックインでもご紹介した、クラシックで温かみのあるデザインが特徴の「サファリ」シリーズ。ワンサイズ大きいラージチェックインも人気です。

ボディ素材はグローブ・トロッターオリジナルの、ヴァルカン・ファイバーで、丈夫で長く使えるスーツケースをお探しの人におすすめです。

ハンドルやコーナー、ストラップ部分に植物性のタンニンを取り入れたレザーが使用されています。時間の経過とともにレザーの色が変化していく様子は、自分だけの旅の証として楽しめます。

 【製品仕様】

サファリ ラージ チェックイン

外寸

本体サイズ

容量

4ホイール

W52 × H76 × D26 cm

W48 × H66 × D26cm

83L

 サファリ ラージ チェックイン

まとめ

海外旅行におすすめのスーツケース選びについて、解説しました。

飛行機を利用する旅では、航空会社が定めるサイズ規定に合ったスーツケースが必要です。国際線の場合、無料で受託できる手荷物の容量は航空会社ごとに決められています。利用するクラスや運賃によっても、容量が異なることがあります。航空券の購入時に、無料受託手荷物の規定も確認するようにしましょう。

多くの荷物を扱う国際線では、スーツケースの素材と耐久性、セキュリティ対策も重要なポイントです。本記事で、受託手荷物サイズであるミディアムとラージのスーツケースに絞って、おすすめ商品を5つご紹介しました。お気に入りのスーツケースとともに、思い出に残る快適な海外旅行へお出かけください。