「絵葉書」シリーズは、果敢なトラベラーやクリエーターに、世界有数の魅惑的な旅行先の体験談を教えてもらうトラベルガイドです。今回は、グローブ・トロッター香港店のパートナー、マイケル・シャムと中央アジアの心臓部に足を踏み入れます。
広大で謎めいた地域、中央アジアにはカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、そしてウズベキスタンがあります。古代シルクロードの要所であったこの地は、今もなお、至るところで歴史と冒険が絡み合う、類まれな景観と驚嘆すべき建築物の宝庫です。
マイケルの中央アジアを巡る旅は、世界有数のドラマチックな山岳風景を切り刻んで走り抜ける伝説的なパミール・ハイウェイに沿った忘れがたいドライブから始まりました。道中、マイケルは、キルギスの青く澄んだソンクル湖沿いを家族が家畜の群れと共に移動する、遊牧民の生活風景に没入していました。
「移動テントのユルトで目覚め、外に出るとこんな家族の風景に出会えるなんて、本当に贅沢な体験でした」とマイケルは振り返り、シンプルな生活と広大な自然の美しさが交差する場所に旅のエッセンスを捉えます。
マイケルの旅の決定的な瞬間のひとつが、息をのむほど美しい山岳路、荒涼とした地形、そして人の手の入らない遠隔の地で名高いルート、伝説のパミール・ハイウェイM41を走行したことでした。ソビエト時代に造られたこの道路は、タジキスタンとキルギスのドラマチックな風景をぬって走り、その後もほとんど変わっていません。ある地点ではアフガニスタンの国境沿いを走り、そこでタリバン兵がちょうど川の対岸をパトロールしているのを目にすると、その地域が複雑な歴史を背負っていることをはっきりと思い出させてくれます。
しかし、真の冒険はドライブの先に待ち受けていました。M41で道路が封鎖されたため、電気も通っていない辺境な村で予定外に一夜を過ごすことになりました。マイケルが「こんなに真っ暗な場所は初めての経験」と言うように、灯りは揺らめく薪の火とぼんやりした太陽光発電のランプのみ。そんな限られた資源でも、村人たちは暖かく迎え、わずかな蓄えから食事を用意してくれました。天空は遮るものがなく天の川は頭上に際限なく広がり、夜遅くまで会話が続き、予定外の1泊は今回の旅の最も忘れられない体験になりました。
しかし国境を越えることにはそれなりの困難が伴います。4カ国を移動するには忍耐と準備と、時には我慢が必要です。中でも中国への入国が一番難しく遅れが発生し、マイケルと一行は海抜4,200メートルの高地で12時間待たされ、すぐに高山病の症状が現れ、治療の必要な人も出ました。
初めて中央アジアを訪れる人には、ウズベキスタンのブハラがよいとマイケルは薦めます。かつてはシルクロードの交易の拠点だったブハラはユネスコの世界遺産都市に登録され、カラーン・ミナレットやアルク城といった驚嘆すべき建築物は、何世紀ものペルシア、トルコ、モンゴルの影響を映しています。古い街並みをそぞろ歩くとその時代に遡るかのようです。
この規模の旅には準備が重要です。十分な医療用品の備えが不可欠であり、予測不能な道路に備えて車両の装備をすることも重要です。マイケルは、ランドローバー・ディフェンダーのトランクにぴったりおさまるよう完璧に設計された、特注のグローブ・トロッターの4ホイールラゲッジで旅をしました。その軽量で耐久性のあるデザインは、挑戦と発見に満ちた旅の理想的なパートナーとなりました。
高地のハイウェイを走行するにしても、何世紀もの歴史を持つ古都の発見をするにしても、あるいは世界の片隅の最も辺境な地で見知らぬ人たちが寛大にもてなしてくれる体験でも、中央アジアは、オープンマインドとしっかり荷造りされたスーツケースさえあれば、未知のものを受け入れる人々には十分な恩恵があります。
ニュースレター登録
グローブ・トロッターの最新情報をいち早くお届けいたします。