My Globe-Trotter... 旅行作家、ウィリアム・ダルリンプル

11 Jan 22

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My Globe-Trotter... 旅行作家、ウィリアム・ダルリンプル

多くの人々に愛され、世界各地を旅したスーツケース、グローブ・トロッターにまつわるシリーズの最新号では、いくつもの受賞歴を有する作家であり、冒険家、歴史家、テレビパーソナリティーとしても活躍するウィリアム・ダルリンプル氏に、信頼のスーツケース、グローブ・トロッターとともに出かけた数々の冒険についてお話を伺いました。

ウィリアム・ダルリンプル氏は、一年の大半を第二の祖国インドのデリー郊外の農場で暮らしています。20代から旅行書や歴史書の執筆を始め、いくつもの賞を受けています。ケンブリッジ大学を卒業後、ダルリンプル氏は、エルサレムからモンゴルまでマルコ・ポーロが旅したのと同じルートを辿る旅に出ました。その記録をしたため、わずか22歳で上梓したのが『In Xanadu: A Quest(ザナドゥ(上都)にて:冒険の旅)』で、一躍ベストセラーとなりました。以来、絶えず世界を駆け巡って暮らしています。今回のインタビューでは、18年前に購入したお気に入りのオレンジ色のスーツケースをはじめ、所有するグローブ・トロッターとともに出かけた様々な冒険について語ってくれました。

 

"どこへ行くにも、グローブ・トロッターは私の旅の相棒です。荒っぽい地域に出かけることの多い私ですが、質の劣ったスーツケースなら壊れてしまっただろう試練も生き延びてくれています。"

 

グローブ・トロッターは、いくつお持ちですか。

今では、ちょっとしたグローブ・トロッター・コレクションを持っていますよ。全部で8個です。昔ながらのスタイルのものから比較的モダンなものまで、様々な種類を持っています。

 

実は、最初に使っていたグローブ・トロッターがどこに行ってしまったのか、分からないのです。スコットランドとヨークシャーのボーディング・スクール(全寮制寄宿学校)との間を行き来するときに使っていました。ベーシックなタイプで、ホイールやベルトも付いていませんでした。最新式の機能もなく、鮮やかな色使いもないスーツケースです。グレーでした。けれど、それを持って出かけるのが、私の旅のスタイルでした。いつも同じように旅に出るのです。旅について考える時、最初に思い浮かぶのが、グローブ・トロッターのスーツケースです。事実、私がしてきた旅において最も変わらないこと、それは、まずグローブ・トロッターに荷物を詰めることなのです。

グローブ・トロッターのどんなところが好きですか。

そうですね。グローブ・トロッターは、今日では、多くの非常におしゃれな人々に用いられていることは知っていますよ。それに、15年ほど前から製品がアップグレードされはじめて、新しいしゃれたホイールやハンドルが付いたりしていることも知っています。グローブ・トロッターは、旅人が持ち歩く機能本位のカバンからファッションのアイコンになり、目に鮮やかなカラーも各種出ています。しかし私にとっての魅力はいつだって、信じられないほど実用的なところです。私は、そのときどきで旅行作家、ジャーナリスト、歴史家、外国特派員、そして写真家として活動することがあり、大人になってからの人生の大半をインドで暮らしています。荒っぽい地域に出かけることの多い私ですが、どこへ行くにも、グローブ・トロッターは私の旅の相棒です。乱暴に扱われることもありますが、質の劣ったスーツケースなら壊れてしまっただろう試練も生き延びてくれています。

修理はするのですか。

もちろんです。グローブ・トロッターの修理サービスは、並外れています。傷ついた獣のようになってしまったスーツケースを持ち込んでも美しく修理されて、あたかも永遠の命が吹き込まれたようになって戻ってきます。最近修理をお願いした私のお気に入り、2003年に購入したオレンジ色のスーツケースもそうでした。あまりにもひどく傷んでいたので、修理など試みても無駄なのではないかと当初は思っていました。ロックがひとつ無くなっていたほか、コーナーパッドもふたつ紛失していて、しかもアフガニスタンで傷めつけられてすっかりゆがんでいたのです。しかし、工場で修理され戻ってきたそのスーツケースを見て、目を疑いました。グローブ・トロッターの職人が内側を完全に張り替えてくれていましたが、外側は以前と全く同じに見えました。100枚以上ものエキゾチックなステッカーが貼られた、そのままの姿だったのです。つまり、機能は新品同様にすべて修理されているのに、百戦錬磨のつわもののような堂々たる外観を保っていたのです。まるで長年にわたり数々の戦いをくぐり抜けてきたにもかかわらず、年を重ねてもなお美しく、かっこいいハリウッド・スターのようでした。使い込まれた色艶の魅力や、各地を旅した思い出を残しておくことの重要性を理解している愛ある職人の手による仕事でした。あたかも古い絵画のように私のスーツケースは修復されていました。

ダルリンプルさんのグローブ・トロッターが受けた最も過酷な試練は、どのようなものでしたか。

そうですね。でこぼこ道を走るジープに積まれて、あちこちぶつかりながら運ばれたことはいくらでもあります。けれど、かつてアフガニスタンでヘラート行きの飛行機に乗ろうとしていたときのことです。どんな感じだったか想像できるように言うと、例えばチェックインしたときに受け取った搭乗券には「リヤド行き」と記されていました。サウジアラビアのリヤドです。でも係員はお構いなしで「気にしないでください、たかが搭乗券じゃないですか」と言うのです。それで飛行機に乗り、目的地に着陸すると、パイロットと客室乗務員が荷物を滑走路のエプロンに放り出したのです。空港の主要施設は閉まっていました。金曜日の礼拝だったのではないかと思います。その場に残された私は頭をかきながら立ち尽くして、どうしたものかと考えていました。すると数分後、ゴロゴロと、あたかも戦車の一団が近づいてくるような音が聞こえてきたのです。やがて遠くに、一群の少年が手押し一輪車を押しながら近づいてくるのが見えるではありませんか。これがヘラート空港の荷物運搬車だったのです。私のグローブ・トロッターは一台の手押し車で運ばれた後、1930年代のシボレーのトランクに投げ込まれました。アフガニスタンでタクシーとして使われている車両です。そこからは、道中タリバンの待ち伏せを避けながら冒険の旅に乗り出したのです。

 

"海を渡るとき数人の男が現れ、私のグローブ・トロッターを肩に担いで水の上を運んでくれました。これこそ真の贅沢ですよね。"

 

それでは逆に、これまで受けた中で最も贅沢な扱いは、どのようなものでしたか。

私は50歳の誕生日をタプロバン島(Taprobane Island)で過ごすことに決めました。世界で最もプライベートな島のひとつで、スリランカ、ゴールのすぐ南にあります。美しい島で、作家のポール・ボウルズがかつて暮らしたところです。ただ、タプロバン島へ行くには道が無く波をかき分けながら海の中を歩いていかなければなりません。海を渡るとき数人の男が現れ、私のグローブ・トロッターを肩に担いで水の上を運んでくれました。これこそ真の贅沢ですよね。

荷造りは、どのようにしますか。

これまでずっとグローブ・トロッターを使い続けてきた中で編み出した、ジンクスめいた荷造りの法則があります。本は左側に積み重ね、服は右側、洗面用具や靴は手前の留め具の横です。スーツケースは長方形なので、開けたときにどこに何があるか全部分かります。靴下はここってね。これはもはや暗黙の決まりとして旅に出るときの手順の一環となっています。柔らかいバッグだとこうはいきません。

スーツケースは預けますか、それとも持ち込みますか。

両方です。機内に持ち込める小型のキャリーオンタイプを一つ持っていて、携帯する本やラップトップを入れます。ラップトップを入れておいても安心なくらい頑丈ですし、本の収納にぴったりのサイズです。私は物を書く時に昔ながらのインデックスカードを3組使用するのですが、それもぴったりと収まります。本を詰め込むのは左側、情報カードは右側、ブックスタンドは一方の端に寄せて、ラップトップは一番上に載せます。これで物書きの七つ道具一式が持ち運べます。ときどき思うんですよ、私がグローブ・トロッターに合わせて旅の作法を変えていったのだろうか、それとも、グローブ・トロッターがたまたま私の旅の作法に合っていたのだろうかとね。でも、他の旅行かばんを持って旅するなんて、今では考えられません。

それでは、お気に入りのスーツケースはどれですか。

修理してもらったオレンジ色のものを、いつも旅の相棒としています。旅行作家として世界の大部分を旅してきましたが、いつも私の傍らにありました。バーミヤンの仏像を訪れたときも、北アフリカやアルジェリア周辺、エジプト、アンコールワット、シドニー、インドネシアのバリ島、カリブ海に行ったときも、いつも一緒でした。色が好きなんですよね。ロンドンとデリーを結ぶ大型機から積み下ろされた荷物がコンベヤに乗って現れるとき、どれも同じような黒いキャンバス地のバッグの間で、オレンジ色の私のスーツケースは真っ先に目に飛び込んできます。今ではオレンジ色のケースを、それぞれ違うサイズで3個持っています。どれもお気に入りです。見た目もかわいく、まるでマトリョーシカ(ロシア人形)みたいで並べると家族のようです。もっと古いのも持っていて、こちらは荷物の量が多いときに使います。物書きなので沢山の本を持って旅をします。いつも書斎ごと移動するみたいになってしまうのですが、そんなときに使うのが、昔から所有している旧式のネイビーカラーのスーツケースです。その一つには、大学時代に入れたイニシャルがまだうっすらと残っています。

 

"私のオレンジ色のグローブ・トロッターは、これまで所有していたどんなものよりも人から褒めてもらった持ち物だと言えますね。大げさではないですよ。"

 

スーツケースについて、何か言われたことがありますか。

私のオレンジ色のグローブ・トロッターは、これまで所有していたどんなものよりも人から褒めてもらった持ち物だと言えますね。大げさではないですよ。このスーツケースのデザインが大好きな旅人を何人も知っています。パキスタン人の友人で、ベーナズィール・ブットー内閣の大臣を務めていた人がいるのですが、彼は汚れひとつない珈琲色のシリーズを一揃い持っていました。数々の戦功を誇示しているかのような私のとは、まるで正反対です。でも私は、自分のオレンジ色のスーツケースの見た目がすごく気に入っているのです。だからこそ、すっかりボロボロになっていたにもかかわらずグローブ・トロッター社が修理してくれると言ってくれたとき、非常に嬉しかったのです。修理が終わったスーツケースを受け取ったとき、感謝がこみ上げてきて思わず写真をTwitterにアップしました。そこから、私の作家仲間の多くもまたグローブ・トロッターのファンであると知り、驚きました。

例えば、誰ですか。

例えばブッカー賞の最終候補に残ったエリフ・シャファク、広く尊敬されているトルコの作家です。彼女はグローブ・トロッターは芸術作品だと常々から思っていたそうです。歴史家のサイモン・シャーマもそうです。彼もまた、旅行にはグローブ・トロッターが欠かせないそうで、文明や美術史をテーマにした番組の撮影旅行に携えていくと教えてくれました。要するに、おしゃれな人たちだけでなく、「グローブ・トロッターでなければダメだ」とこだわりを持っている作家たちが今もこのかばんを持って世界を旅しているということです。結局のところ、スコットランド人のばあやが昔よく言っていた通り「良いものを買って長く使え」です。

オレンジ色のグローブ・トロッターと次はどこに出かけますか。

まもなくデリーに戻りますが、そこから東南アジアを一周する予定です。ロマンチックに聞こえますが、…そして実際、ロマンチックで歴史のある場所に行くのが私は好きなのですが、ご存じのとおり現在は旅行しやすい状況ではなく、苛立ちを感じることもしばしばです。そんなときだからこそグローブ・トロッターの出番です。少なくとも、自分の荷物が安全に守られていると安心できるのですから。たとえアフガン航空に運ばれても、壊れて開いたりしません。見た目が素敵なだけではなく、ストラップでしっかり押さえられており安全・安心です。そのうえ、長年の愛用からくる色艶、ひと目で世界を旅してきたことが分かる外観が、旅に彩りを添えてくれます。

ウィリアム・ダルリンプル氏の代表作としては『Anarchy: The Relentless Rise of the East India Company(政治的混乱:東インド会社の飽くなき隆盛)』『Return of a King: The Battle for Afghanistan(王の帰還:アフガニスタンをめぐる戦い)』『The Last Mughal, The Fall of a Dynasty, Delhi 1857(最後のムガル皇帝、帝国の衰退、デリー、1857年)』があげられます。

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