クリスティーナ・ノートンさんと作るカスタムラゲッジ

14 Jun 23

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クリスティーナ・ノートンさんと作るカスタムラゲッジ

グローブ・トロッターの愛好家が、自身のための『カスタムラゲッジ』のデザインをオーダーするシリーズ。

第2回目の今回は、イギリスを中心に 各地で高級ホテルを運営するメイボーンホテルグループのクリスティーナ・ノートンさんです。ノートンさんは、同社が発信するコンテンツとSNSの責任者を務めています。彼女のクリエイティブな才能が随所にあふれるコメントや、旅にまつわるお話をご紹介します。

グローブ・トロッターのビスポークラゲッジをデザインされましたが、このデザインの発想はどこからきたものですか?

私の家族は昔から引っ越しが多かったのですが、私が11歳の時にワシントンD.C.からバリ島へ引っ越したのが最も大がかりなものでした。当時はインターネットもなく、グーグルマップの画像を参考にすることもできませんでした。両親がくれたガイドブックを 1,000 回は読んだに違いないと思います。着いてから困らないように、写真や地図を全部覚えたものです。プルメリアの花の香り、そして毎日寺院に出かけたことが強く記憶に残っています。バリの人々にとって、精神世界と自然は毎日の生活の一部なんですね。彼らの信条、そして何より彼らの伝統を学んだことは、私の人生の中で重要な体験です。バリで学んだ価値観のコアな部分は、今も私たち家族の暮らしの中に残っています。そんなわけで、ビスポークラゲッジを作るなら、バリの美しい色をすべて詰め込んだスーツケースにしたいと思い、アリー・スミットの大胆で美しい絵画を参考にしました。アリー・スミットはオランダ生まれのインドネシアで活躍した画家で、バリの熱帯の自然を豊かな表現で描写したことで知られています。

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子どものころに引っ越しが多かったのは、なぜですか?

私の母はフランス人ですが、両親は結婚するとすぐにアメリカに引っ越しました。父がホテル業界で仕事をしていたので、3 ~ 4 年おきにあちこちに移動したんです。おかげで、世界中のいろいろな場所や街を見ることができました。週末はホテルで過ごして楽しかったのですが、ドレスアップしてお客様をもてなす必要がありました。家族の代表としてそこにいるわけですから、マナーを非常に重視されました。バリで 2 年ほど過ごした後、シンガポールのボーディングスクールに入学しました。これまでの学校よりも とても大きく、私はそこでイギリス式の教育を受けました。その後、ボーディングスクールを卒業して、ロンドン芸術大学のセントラル・マーチン・カレッジへ進学しました。そのまま、今もロンドンに住んでいます。ロンドンは私にとっては最高の場所でした。英語が通じるし、生まれて初めて住んだヨーロッパだし。自分で住む場所を選び、自分自身の新しい家庭を作れるのはとてもうれしかったですね。

グローブ・トロッターのビスポークで、スーツケースをふたつデザインされましたね。お嬢さんのためのキャリーオンケースと、ご自身のためのチェックインケースですが、なぜこのふたつをセットで考えたのですか?

ロンドンのグローブ・トロッターの店を訪れたとき、デザイン要素の候補がたくさんある中から、シャーロット(グローブ・トロッターのデザイナー、シャーロット・セドン)が見事にいいものだけを選びだしてくれたんです。私は最初、自分のケースはブルーがいいと思っていましたが、アイボリーを見たとたん、これだ!って。それで、ブルーのケースはオレンジの「パンプキン」色のレザーディテールを施して、娘のペネロペのケースにしました。ブルーは私のムードボードにあった色だし、「パンプキン」は、今年 7 歳になる娘がお腹にいたときのニックネームだからです。 10 月に生まれる予定だったので、家族でそう呼んでいました。私はふだん、あまり明るい色の服は着ないで、アクセサリーを明るくして楽しんでいるので、スーツケースは鮮やかな色がぴったりだと思ったんです。

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グローブ・トロッターのどんなところがお好きですか?

1897年の創業当時から、今も変わらない影響力を持っているところが素晴らしいと思います。技術と伝統を大切にしている点で、他のメーカーとは一線を画していますね。懐かしさも感じますし、ブランドのアイデンティティがゆるぎなく確立されています。一生使えるラゲッジです。

ノートンさんは、クラリッジスやバークレーなどにあるグループホテルのコンテンツやSNSを統括していらっしゃいますが、そのお仕事の楽しいところと、最も難しいところはどこでしょうか?

楽しい点は、ストーリーテラーになれるところです。投稿のひとつひとつで心の動きを表現したり、ある種のファンタジー、ロマンス、夢、そして現実を離れてメイボーンホテルグループの素晴らしい世界に浸る体験などを表現します。それを世界に向けて直接発信するのです。スタッフの中で、特に優れた人材にも焦点を当てます。スタッフは毎日、私たちのホテルに足を踏み入れてくださったすべてのお客様に、特別な瞬間を感じていただくことを目指して仕事をしています。コンテンツは流れる砂のようなもので、常に動き続けています。つかまえた「瞬間」を、コンテンツとして共有することは、非常に素晴らしい仕事だと思います。難しい点は、オリジナルのコンテンツを作り続けることと、しかるべきときにしかるべき場所にいることですね。

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初めてロンドンを訪れる人に、何かアドバイスはありますか?

いちばん良いウォーキングシューズを履いて来てください。これは何より大切なことです。ロンドンは歩いて回るのがいちばん適しているからです。無料の博物館や美術館がたくさんあるので見逃さないでほしいし、リージェンツ・パーク、リトル・ベニス、ハムステッド・ヒース、それからコロンビア・ロードのフラワーマーケットや、プリムローズ・ヒルにもぜひ行ってほしいですね。

旅行のときの荷造りのスタイルは?

私は旅行に関して少々神経質で……フライトの 3 時間前には空港に着いていたい人なんですよ。なので、荷物も出発前にできる限り整然とまとめておかないと安心できませんね。きちんとルールを決めています。靴は 3 足まで。服はコーディネートごとにセットにして入れる。ジュエリーケースを使う。旅行中のコーディネートプランを立てる、などです。

旅行に必ず持って行くものは?

カメラです。

長距離フライトを快適に過ごす工夫はありますか?

旅行に行くときは、必ず事前にコーディネートプランを立てます。機内では、 コットンやウールなど、通気性の良い自然素材のものを着ます。ポケットが付いていることも必須です。それから、大きめのスカーフか旅行用ブランケットと、シルクのアイマスクも持ち込みます。飛行機が水平飛行に入ったらすぐに寝てしまうか、眠れないときは、『フレンズ』など短くて楽しい番組を見ます。フライトは、PCやスマホから離れるチャンスですから。

お気に入りの街をいくつか挙げていただけますか?

アムステルダムが好きです。人々はみんな親切だし、運河も美しいし、自転車でどこへでも行けます。歴史が豊かで、オランダの芸術や文化に触れるには最適です。それから、南フランスのエクサンプロバンスは「 1,000 の噴水の街」とも呼ばれ、屋外のマルシェや美しい遊歩道が有名です。私の家族は毎年、夏とクリスマスにエクサンプロバンスに集まります。ふだんはそれぞれ離れた場所に住んでいるので、家族のみんなにとって、そこが第二の故郷のようになっています。

アリゾナ

行ってみたい旅行先は?

アリゾナ州ペイジのアンテロープ・キャニオン。それから、アフリカのサファリで野生動物や雄大な自然を見てみたいです。

外国での食事で、最高だったのは?

外国ではいろいろとおいしいものを食べましたが、中でもシンガポールのホーカーセンターにはいい思い出がいくつもあります。 13 歳でシンガポールのボーディングスクールに入学しましたが、生徒たちは家族と離れて寮生活をしていたので、お互いにとても仲がよくて、週末にはよくいっしょにホーカーセンターの屋外のフードコートに出かけました。値段は高くないですが、どの料理もできたてだし、まるでキッチンシアター のようにずらりと並んだ屋台に囲まれて、おいしそうな匂いがあふれています。本当にさまざまな料理が見つかるんですよ。

いちばん驚いた国、または都市はありますか?

以前は、初めての国を訪れるときはいつも不安になったものでした。でも、年齢が上がるにつれて先入観を持ったり不安を感じたりすることが減り、そのおかげで何もかもがオープンに見えるようになって、温かい人々との触れ合いや、この上なく楽しい体験ができるようになったなと、つくづく思います。リスボンは、本当に素晴らしい街ですよ。

ノートンさんは、オンラインのカスタムラゲッジサービスを利用して、理想のスーツケースを作りました。このサービスでは、ボディのスタイルからカラー、ライニング、ロックやバックルのカラーに至るまで、自由に選んでデザインすることができます。デザインされたラゲッジの製作は、イギリスのグローブ・トロッターの工房で行われます。詳しくはこちらをご覧ください。また、グローブ・トロッターの銀座旗艦店では、アドバイザーがお望みのラゲッジ作りをお手伝いいたします。

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