熱狂的な人気を誇るファッションデザイナー、スージー・ケイヴが、魅力あふれるグローブ・トロッターの新コレクションを生み出しました。今回は、彼女が愛してやまないグローブ・トロッターとの興味深い出会い(すべてはレナード・コーエンのおかげでした)のほか、旅にまつわるお気に入りの音楽や本、旅行先についてお話をうかがいます。
数十年間にわたって旅を経験してきたスーツケースも、初めての旅に出発しようとするぴかぴかの新しいスーツケースも、グローブ・トロッターのスーツケースにはその一つ一つに物語が詰まっています。
スージー・ケイヴが手掛けた魅力的な新コレクションの背景にあるのは、原点回帰の物語。ノスタルジー、音楽のアイコン、そして、尽きることのない愛の物語です。
スージーがデザインを担当した、ザ・ヴァンパイアズ ワイフとグローブ・トロッターのコラボレーションによる新カプセルコレクションには、XLトランク、エアキャビン、キャリーオン のスーツケースのほか、ヴァニティケース とジュエリーケースがあります。ブラックコレクションと、アイボリーカラーのウェディングコレクションの2つの特徴的なラインナップを色違いでご用意しています。「ブラックコレクション」の内装にはきらきらと輝くブラックのベルベットを、「ウェディングコレクション」の内装には鮮やかなレッドが配され、それぞれゴールドのパーツとコウモリ ロゴのエンボスをあしらったラゲッジタグが目を引きます。
1999年にミュージシャンのニック・ケイヴと結婚したスージーは、この限定コレクションの製作構想を何年にもわたって続けてきました。「覚えている限りずっと、私はグローブ・トロッターのスーツケースを持っていて、それを気に入っています」とスージーは話します。「このようなクラシックな気品と美しさを持ち運べるというのは、大きな喜びです」
スージーにグローブ・トロッターを最初に紹介したのは、彼女の友人であり伝説的なフランス人写真家、ドミニク・イッサーマンでした。スージーは述懐します。
「以前、パリにあるドミニクの家に滞在していたときのことです。ある日私はロンドンへ発つためにパッキングをしていたのですが、荷物を入れるスペースが足りなくなってしまいました(これには今でも頭を悩まされます)。そこで、ドミニクがスーツケースを譲ってくれたのです。これはもともとレナード・コーエンの持ち物でした。ドミニクとレナードは長年一緒に暮らす恋人同士で、ドミニクはレナードからそのスーツケースを譲り受けたそうです。私はそのスーツケースを大切に使い続けました。たくさんの理由があり、私にとってかけがえのないものでしたから。その後、私は夫のニックと出会い、それを彼に譲りました。ニックへの最初のプレゼントだったので、とても象徴的な出来事でしたね。今度はニックがそのスーツケースを何年も愛用し、最近、収蔵品として博物館へ移されました」
スージーは2014年にザ・ヴァンパイアズ ワイフを共同設立しました。14歳のときにニューヨーク行きの飛行機の中で『ヴォーグ』誌の写真家スティーブン・マイゼルにスカウトされた元モデルである彼女は、数々のファッション誌の表紙やロックグループ、ロキシー・ミュージックの2枚のアルバムジャケットを飾り、約10年間にわたってヴィヴィアン・ウエストウッドのモデルを務めました。ミルク色の肌と漆黒の髪をもつスージーは、この世のものとは思えない永遠の美であり、夫ニックによる未完の小説にちなんで名付けられたザ・ヴァンパイアズ ワイフでは彼女のゴシック的な創造性が発揮されています。ボディラインに沿う特徴的なシルエットと宝石のように輝く風合いをもつ同ブランドのファルコネッティ・ドレス は、『ヴォーグ』誌によって「この10年を代表するドレス 」と評され、アレクサ・チャンからウェールズ公妃キャサリンまで多くのセレブに愛されてきました。大人気のドレスの他にも、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの楽曲から着想を得た精巧なゴールドチャームや、まさにゴシックといった雰囲気のキャンドル「Bonfire」など、ザ・ヴァンパイアズ ワイフは斬新なグッズを展開しています。同ブランドにとって、大胆で心躍る新たな節目となるグローブ・トロッターの新作コレクション。しかしこれもまた、愛と結婚からインスピレーションを得たものなのです。
ス―ジーは「今回グローブ・トロッターとコラボレーションしたブラックコレクションは、ニックのために作ったのです」と話します。「ミュージシャンであるニックは常にツアーに出ていて、素敵な鞄を持ち歩くのが大好き。また、ウェディングコレクションは、とびきり美しいヴァニティケースから着想を得ました。そのヴァニティケースは私の父から私の母への結婚の贈り物で、母がハネムーンに持って行ったものです。幼い頃の私はその美しい鞄に魅了されました。ファッションに関する最初の記憶の一つですね。私自身とても楽しんでこのコレクションを作ったので、それと同じくらい皆さんにも愛してもらい、使うのを楽しんでもらいたいと思います」
Globe-Trotting with スージー・ケイヴ
お気に入りの旅行体験やお勧めについてお話をうかがいました。
お気に入りのホテルは?
ロンドンのクラリッジズですね。 魅力的で豊かな歴史をもつ、世界一華やかなホテルだと思っています。贅沢かつ豪華な雰囲気を残しつつも、とてもフレンドリーで快適なホテルです。一番おいしかった海外グルメは?
オーストラリアのメルボルンで食べるフィッシュ・アンド・チップスはどれもおいしいのですが、特にアクランドストリートにあるフィッシュ・アンド・チップスのお店は最高。日の当たる路上のテーブル席で、塩とビネガーをかけて食べるのが大好きです。
旅にまつわるお気に入りの本は?
W・G・ゼーバルトの『土星の環(原題はThe Rings of Saturn)』です。あるミステリアスな男性のサセックス行脚をめぐる、奇妙で陰鬱な旅小説です。一見ただ歩き回っているだけのようですが、主人公が歴史や記憶の物語、深遠な知識へ入り込むにつれて、その歩みがどんどん複雑になっていくのです。本当に引き込まれる本です。
聴けば旅に出たくなる、お気に入りの歌は?
エルヴィス・プレスリーの後期の作品、「雨のケンタッキー(原題はKentucky Rain)」です。夫も私も、エルヴィスの大ファン。失った恋を探して街を去るさまを歌うドラマチックで哀愁漂うこの曲は、彼の最高傑作の一つです。
長距離旅行の定番ファッションアイテムは?
ゴッズ・トゥルー・カシミヤのブラックのトラックスーツです。何とブラッド・ピット本人からのプレゼント!オーバーサイズでたっぷりとした厚みがあり、体をすっぽり包んでくれるんです。まるで、とびきり柔らかくスタイリッシュな持ち運び用ブランケットのようで、とにかく素敵。このトラックスーツにくるまるためだけに旅に出たいくらいです。
世界の中で、気付けば何度も訪れている場所は?
美しく雰囲気のいい、イングランドのブライトンです。私は旅好きで、街から街へ、国から国へ旅をしていますが、いつもブライトンに戻ってきてしまいます。ようやくホッと一安心できた、というような嬉しい安堵感に満たされる、故郷とも呼べる街です。
いちばん驚いた街や国は?
ロサンゼルスですね。このとても不思議な「夢の街」に自分がこれほど心奪われようとは思いもしませんでした。夫と私は2018~19年頃に1、2年ほどロサンゼルスに住んでいて、一握りの夢想家のビジョンと野心によって砂漠の中に築かれた、この夢のような街を知ることになりました。
指をパチンと鳴らせば世界のどこかへ24時間出かけられるとしたら、どこへ行きたいですか?
アリゾナ州のどこかの路上へトリップして、ハネムーンを追体験したいです。夫と私は車でアメリカを回ったのですが、その出発点がアリゾナでした。雄大なアメリカをあてもなく放浪したのち、ニューヨークに辿り着きました。私たち2人ともにとって、うっとりするような時間でした。その翌年、私たちはもう1度やろうと約束し合ったのです。
ザ・ヴァンパイアズ ワイフとグローブ・トロッターのコラボレーションによるコレクションは2024年1月24日(水)より、各ストアにて数量限定発売。
ニュースレター登録
グローブ・トロッターの最新情報をいち早くお届けいたします。