F1 2023 インサイダーズガイド No. 12 – ハンガリー

26 Jul 23

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F1 2023 インサイダーズガイド No. 12 – ハンガリー

かつてハプスブルク王朝の支配のもとで、オーストリア=ハンガリー帝国として中央ヨーロッパの重要な一角を占めていたハンガリー。第一次世界大戦の敗戦によって帝国の支配は終焉を迎えました。このときに国土の半分以上を近隣諸国に譲ったため今は比較的小さな国になっていますが、豊かな歴史と美しい景勝地に恵まれていることは変わりなく、いくつもの城や温泉、名物料理のグヤーシュ や赤ワインなど、旅行先としての魅力にあふれています 。そのハンガリーが、次のF1ワールドチャンピオンシップの舞台。ブダペスト近郊のハンガロリンクサーキットでレースが開催されます。

ハンガロリンクは1986年、いわゆる「鉄のカーテン」の東側 で初めてのグランプリレースが行われ、ネルソン・ピケがほとんど不可能と思われた逆転劇でアイルトン・セナを抑え、勝利を収めて人々を驚かせた場所です。カーブが多く直線が少ないため、オーバーテイク(追い越し)が難しいことで知られていますが、アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワン®チームのドライバー、ランス・ストロールとフェルナンド・アロンソは、この挑戦を楽しんでくれるでしょう。

歴史を感じたいなら?

タポルツァ とシグリゲット城– ガイドブックを見てもホテルのスタッフに聞いても、タポルツァまで足をのばすことを勧められます。それもそのはず、タポルツァはいかにもハンガリーらしい、まるで絵本のような町で、たちまちウェス・アンダーソン監督の映画『グランド・ブダペスト・ホテル』の世界に迷い込んだような気分にさせてくれるところだからです。黄色やピンクの建物がある旧市街を抜けると、記念碑や教会などがある共和国広場へ出ます。マロム湖まで歩き、ひと泳ぎしてさっぱりしてから、シグリゲット城へ向かうのもいいですね。谷を見下ろしてそびえるシグリゲット城は、ハンガリーでも有数の立派な要塞です。1260年に築かれてから何世紀もの間、いくつもの帝国の栄枯盛衰を目撃した堅固な岩の城壁がこうして今も残っているのを見ると、動乱の歴史に胸を打たれます。

のんびり過ごすなら?

ブダペストの温泉 サーキットで熱いレースに盛り上がり、その後は世界有数の天然温泉でゆったりリラックスするなんて、最高だと思いませんか? ブダペストは何世紀も前から続く温泉保養地でもあり、ここの硬水温泉には疲労回復効果があることが古くから知られています(治療効果があると言う人もいます)。ゲッレールト温泉 は帝国時代のデカダンスな雰囲気が漂う屋内温泉で、広々とした高い天井の下で浴槽に浸かっていると、ハプスブルグ時代の人々もこんな暮らしをしていたのだろうか、と想像が膨らみます。セーチェニ温泉 はブダペストを代表する大規模な温泉施設です。黄色い建物が特徴的で、その足元に広大な屋外プールが設けられています。高齢の男性たちが湯に浸かりながら、プールの上に設置されたボードでチェスに興じる姿は、ここならではの楽しい風景です。

ブダペストのナイトライフを有名にしたものと言えば?

廃墟バー – 1990年代に東欧圏が崩壊し、ワルシャワ条約も廃止されたことによって、ハンガリーは再び新しい主権国家として独立しました。しかし、何十年にも及ぶソビエト時代に建設された使いにくい建物の処理は難題で、人々の悩みの種になっていました。経済難のため市の中心部にある歴史的な建物の荒廃が進んでいたこともあって、できるだけ小規模な修復で建物を復活させる方法として、廃墟をバーに改装する計画が立案されました。そうして2000年代の初め、廃墟バーの草分けであり、今も高い人気を誇るシンプラ・ケルト が開業し、ブダペストは独特のナイトライフが楽しめる街として有名になりました。今では廃墟バーの数も増え、マゼルトヴ、インスタントフォガスといった店が夜遅くまで営業しています。開放的な広い中庭のリラックスした雰囲気の中で、手ごろな価格の飲み物を片手に過ごす夏の夜は、最高です。

海水浴気分を味わうには?

バラトン湖 – 中央ヨーロッパ最大の湖であるバラトン湖に行くと、そこはまるで海岸のようで、内陸国にいるとは思えない風景が広がっています。国土が海に面していないハンガリーの人々にとって、この巨大な湖は特別な存在。シオーフォク といった湖畔のリゾート地のホテルには、ゆったりとした時間を過ごすためにジュール やブダペストから人々がやってきますが、人気は国内にとどまらず、ヨーロッパ全域から観光客が集まります。共産党政権時代には政府が湖畔に沿って大規模なホテルをいくつも建設し、西側の人々と東側の人々が一緒に休暇を過ごしていたため、特にドイツの人にとっては思い出深いリゾート地です。ホテルの前の湖岸でビーチライフを楽しむほか、ティハニ 半島など、さらに静かなエリアまで足を延ばすことも可能です。夏の平均気温は25~26℃ほどなので、水泳にはぴったりです。

ユネスコも認めた国立公園の地下で、たくさんの洞窟を見たいなら?

アッグテレク国立公園 アッグテレク国立公園には世界有数の大規模な洞窟群があり、それを見るために探検家や観光客が世界中からハンガリーを目指してやってきます。ブダペストから北へ自動車で2時間ほど走ると、壮大な山々や緑豊かな森が続く中に、有名なアッグテレク国立公園が見えてきます。公園には数百ものカルスト洞窟があり、1995年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。中にはまだ十分な調査がされていない洞窟や、発見さえされていないものもあります。国境を越えてスロバキアまで続いている洞窟もたくさんあります。ツアーに参加するのもいいですし、単に歩いて眺めるだけでも、自然の岩が作り出す驚異の景観に圧倒されるでしょう。

今、ブダペストで最も注目されているアドレスは?

ヴェルノハウス(バー、レストラン、ホテル) – ヴェルノハウスには2022年12月のオープン以来、スタイリッシュな滞在を望む旅行者が押し寄せています。新しい施設ですがルーツは古く、建物は帝政時代のもの。それを丁寧に修復し、オータムグリーン、グレー、ブラウンといった色を基調にミッドセンチュリー風の家具や照明を配置した新しいデザインに生まれ変わりました。館内のレストラン、ザ・フラーヴァは、ハンガリー産熟成牛のリブアイやフィレミニヨン、デザートのヌガーバブカなど、地元の味にこだわった料理で高い評価を得ています。ヴェルノハウスは市の中心部に位置しているため、ブダペストの観光スポットならどこも、徒歩圏内です。

ハンガリーの夜を思い切り優雅に過ごすなら?

ブルー・フォックス・バー、エスビストロ、ノブ(ケンピンスキ・ホテル・コルヴィヌス ) – ハンガリーグランプリの開催中はもちろん、それ以外の期間でも、ハンガリーの夏の夜を楽しむために行くべきは、ケンピンスキ・ホテル・コルヴィヌスです。ここはブダペストを代表する名門ホテルで、館内にはさまざまな名店がそろっています。ブダペストでは言わずと知れた本格的な日本料理店のノブ、ハンガリー料理を現代的にアレンジして提供するエスビストロ、そして世界のトップバー500にランクインし、カクテル愛好家が憧れるザ・ブルーフォックス・バーなど。これらの店で素敵な時間を堪能したあとは、上層階のハイセンスな客室に宿泊するというのも素晴らしいアイデアですね。

 

Globe-Trotter x Aston Martin Aramco Cognizant Formula One® Teamのパートナーシップは、クラフトマンシップ、イノベーション、ヘリテージへの共通のコミットメントを称えています。グローブ・トロッターのタイムレスなハンドメイドのラゲッジと、アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラ1™チーム(AMF1)の最先端のデザインと性能が融合した限定コレクションを是非、ご覧ください。

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