2017春夏コレクションは1960年代のBOACのキャビン・アテンダントの、当時使用していたグローブ・トロッターのケースにインスパイアされたと聞きました。その背景には何があったのですか?
私はグローブ・トロッターのアーカイブ・コレクションからこのケースを発見しました。グローブ・トロッターでは120年前に製造したケースなどを保管していますが、私がこのケースを偶然に見つけた時、ケースのライナー蓋部分に貼られている旅行ステッカーに目を奪われました。このステッカーのコンビネーションが私にとっての2017年春夏コレクションの出発点となりました。
その後、ケースの持ち主を特定しようとした私が辿り着いたのはブリティッシュ・エアウェイズ(BA)博物館でした。グローブ・トロッターとBAは長期において良好な関係性があったため、すぐに博物館を訪問させていただくことができました。 館内では航空会社の歴史に触れ、さらにインスピレーションが増していきました。また、ケースの持ち主である1960年代のBOAC航空キャビン・アテンダントのヒラリー・ファーリッシュさんも紹介していただけることになりました。
仕事においてグローブ・トロッターのアーカイブ・コレクションはどれくらい重要ですか?
グローブ・トロッターはエレガンスとシンプルさを象徴するタイムレスなデザインを取り入れてきたので、今後も変えたくないと思っています。私は常に過去のデザイン、色やスタイルを参考にしてモダンにアレンジした提案をしています。
レトロ・ステッカーデザインでどのように商品をモダンにしましたか?
ステッカーのコレクションそのものはそれ自体がコンビネーションとして完成した状態でケースにまとめられていたので、それをそのままプリントしたライニングをケース、バッグやスカーフに使用しました。さらにそこから、コレクションの中で自分が好きなステッカーを選んで本革アップリケとしてパスポートカバー、ドキュメントケース、バッグやキーホルダーなどのトラベルアクセサリーにデザインしていきました。
お気に入りのステッカーはありますか?
ジャマイカのキングストンにあるホテル・フラミンゴです。シックで楽しいステッカーです!泊まった様々なホテルについて、ファーリッシュさんから直接お話を聞くのは素晴らしい体験でした。当時キャビン・アテンダントであることがとても華やかでグラマラスであるという印象を受けました。
シャーロットさんも旅行からの記念品などを集めていますか?
私が集めている記念品はその土地で生まれた自然でユニークなものばかりです。例えば、京都で拾った赤い葉っぱをグローブ・トロッターのメモ帳に大切にはさんでいます。最近ではタイの旅行から持ち帰った美しい白い小石や、サンゴ礁を家に飾っています。
アーカイブ以外に、どこからインスピレーションを得ていますか?
私はいつも自分の周りにあるものにインスパイアされています。ヴィンテージ市場や、コロンビア・ロード・フラワー・マーケット、シティ・オブ・ロンドン市などの場所に行くとインスピレーションを得ることができます。ミニマリスト・アートとデザインも好きで、アグネス・マーティンとソル・ルウィットの作品をとても気に入っています。
グローブ・トロッターの、果てることのない魅力は何ですか?
商品が「本物」、そして唯一無二であるところが魅力です。製造プロセスと、基本となるデザインは100年以上変っていません。英国で作られているので他のケースやバッグにはない特徴と魅力があります。私は自信を持ってグローブ・トロッターのケースを持ち歩いていますし、一生ものなので私の孫にケースを渡すときが来るのを楽しみにしています。
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