荷造りの極意

22 May 18

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What I'm Packing - GLOBE-TROTTER

英国を代表するファッションデザイナー、ポール・スミス氏からの旅のアドバイスをお届けします。

まず、旅の内容、期間、そして目的をよく理解することから旅支度は始まります。
本当に必要な物だけを持っていくこと。私の場合は、非常に実用的であると同時に私自身が昔気質な人間なので、ほぼ毎日スーツを着ています。いつもたくさんの紙切れやペン、だいたいカメラを持ち歩いているので、(ポケットのある)スーツはとても都合がよいのです。各個人のライフスタイルにも寄りますが、荷造りはとにかくシンプルに徹することが私からの一番のアドバイスです。多くの場合、みんな荷物が多すぎるのです。私自身はたとえ長期の旅行であっても、手荷物だけで移動することを好みます。 目的地のリサーチをきちんと行うこともお薦めします。例えば、湿度、雨季や乾季など季節、気温などを下調べしておくことです。以前、仕事で 1 日のうちに 5 カ国を訪問したこともありましたが、その旅は例外中の例外だと言えるでしょう!

仕事柄、ノートは私の旅の必需品です。
T必需品を選別したのなら、あとは目的地に見合った物を考えれば良いのです。私のコレクションにはシワにならないスーツもありますが、旅に最適です。よく、自分のことを玉ねぎに例えることがあります。重ね着をしてレイヤーを作っているからです。私の旅行セットの中身は、少し多めの靴下(ポール・スミスは多くの靴下を取り揃えています)とボクサー・ショーツ、何着かのスーツ、そして何枚かのシャツ。いたってシンプルです。

飛行機に乗り込むと同時に、時計を目的地の時間に合わせ、あとは何も考えずにゆっくり過ごします。
時差ぼけ、食べ物、時差のことなどはあまり気にしません。飛行機に乗り込んだ瞬間に、「さて、今から日本時間だ」などと、目的地の時間に意識を合わせます。映画も特に観たりしません。ただ誰にも話しかけられずにそっとしておいてもらえることを、とても嬉しく思うのです! ヘッドフォンを着けることもありますが、実はプラグは差し込んでいなかったりします。そうしていれば、隣に座っている人が話しかけて来ないからです。長時間のフライトではだいたい 25 枚から 30 枚ほどの絵葉書を、世界に散らばる友人たち宛てにせっせとしたためます。これまでの人生、ほぼ毎朝してきたことです。今でも、手書きするということがとても好きなのです。もちろん、E メールは実用的ですが、人間味に欠ける気がします。例えば、E メールですと、落書きのようなスケッチや、緑色のインクで書くことはできません。ですから、私は未だに絵葉書を書き、世界中からカードが手元に届く喜びを大切な友人たちに贈り続けています。

私の思い出の品は写真であることが多いです。
父がアマチュア写真家だったため、私は 11 歳の頃から写真に触れてきました。今でも毎日、写真を撮ります。父は私に「見て、観察する」ことを教えてくれました。多くの場合、見ることはしていても、観察までには至りません。私は観察力に恵まれている方だと自負しており、私の仕事にその性質は大いに役立っています。特に、フィルムで撮影する際には尚更です。最近、多くの人は携帯電話で 20 枚ほど写真を撮り、そのうちの半分は削除し、即座に自分の作品を確認する、というスタイルが主流になってきているようです。しかし、11 歳の頃にお小遣いをはたいてフィルムを買い、36 枚しか撮れないとなると、1 枚の撮影でもとても慎重になります。ビューファインダーを覗いていると、フィルムを無駄にしたくない一心で、嫌でも観察力が養われます。カメラとフィルムとの付き合いは私を大いに成長させてくれました。私にとって写真は視覚的な日記なのです。

グローブ・トロッターとポール・スミスは、今年4月にコラボレーションした特別仕様のケースを発表しました。

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