グローブ・トロッター原点の地、ロンドンのバーリントン・アーケードで旗艦店を再オープン

23 Jun 20

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グローブ・トロッター原点の地、ロンドンのバーリントン・アーケードで旗艦店を再オープン

店舗再開のこの機会に、「メイフェアの宝石」と呼ばれるバーリントン・アーケードにまつわる興味深いエピソードをご紹介します。

 

この数週間、世界中の活動が止まっていましたが、グローブ・トロッターではメイフェアの旗艦店再開とともに、本格的な通常営業に向けて準備が整いつつあります。

グローブ・トロッターの旗艦店は、去年までメイフェア地区のアルバマール・ストリートにありましたが、今年の初めに、すぐ近くのバーリントン・アーケードに仮移転しました(今年中に正式移転が完了する予定です)。

実はグローブ・トロッターは2004年から2014年までの10年間、ここバーリントン・アーケードに店舗を構えていました。その懐かしい場所への移転。あらゆるものが変化する今年、グローブ・トロッターはまさに特別な原点回帰を果たしたというわけです。

 

「新店舗での営業を再開できて、本当にうれしく思っています。従業員一同、十分な安全対策を実施して、いつものように『グローブ・トロッター(地球を巡る人)』の皆様をお迎えし、将来の旅に向けた準備をお手伝いさせていただきたいと考えております」と語るのは、ストアマネージャーのマイケル・ロディ。

「グローブ・トロッターは、バーリントン・アーケードとともに長い歴史を歩んでまいりました。ここは伝統あるハイブランドが並ぶ格式高いショッピングストリートであり、そこに店舗を構えていたことは、私どもの誇りでもあります。一時、この地を離れておりましたが、思い入れの深いこの場所に再び戻ってこられたことを、心から喜んでおります」

バーリントン・アーケードは、1818年に建設された優雅なリージェンシー様式のアーケード街。

「メイフェアの宝石」とも呼ばれています。

サミュエル・ウエアの設計によるもので、初代バーリントン伯爵だったジョージ・キャベンディッシュ卿が、妻やその友人のご婦人方がショッピングを楽しめるようにと、建設を命じたそうです。

一説には、伯爵の弟のデヴォンシャー公爵がバーリントン・ハウスの近くに住んでおり、近所の住人が食べ終わったカキの殻(当時からロンドンの人はカキが好きだったようです)を屋敷の庭に投げ込むのに閉口してアーケードを付けさせた、とも言われています。

いずれにしても、イギリスで最も古い屋根付きの高級ショッピング街として、新しい時代を開いたことは間違いありません。

 

Burlington Arcade, Piccadilly Entrance. Circa 1910

イギリスの商業史にその名を刻むバーリントン・アーケードには、興味深いエピソードが数多く残っています。

そんな話を誰よりもたくさん知っているのは、ビードルのリーダーを務めるマーク・ロードさんでしょう。

ビードルというのは、数世紀前から続くバーリントン・アーケードの私的な警備員で、今もリージェンシー時代風のエレガントな制服を着て任務にあたっています。

さすがロンドン有数の高級ショッピング街、警備員の出で立ちも他とは一線を画していますが、それ以外にも、印象的なエピソードがたくさんあります。


Head Beadle, Mark Lord

DID YOU KNOW...

こんな話を、ご存じでしょうか

  • バーリントン・アーケードが正式にオープンしたのは1819年。72区画に51の店舗が入っていました。多くが靴店、生花店、帽子店、文具店など今でもよく見かける店でしたが、レース、紳士の散歩用ステッキ、楽譜などを専門に扱う少し珍しい店もありました。

  • かつてはアーケードの上、店の上層階部分が住居になっていて、店主はそこに住むのがふつうでした。ビクトリア朝時代に、マダム・パーソンズという人が2729区画で店を営み、暮らしていました。その人が自宅で亡くなったとき、本当は男性だったということが、初めて分かったのです。親しい店のスタッフも、誰も知らない事実でした。ビードル長のマーク・ロードさんは、「マダムは、成人後の人生をずっと女性として生きてきたのです。この街の歴史の中でも本当に珍しいことですが、ここの歴史が多様な人々によって作られてきたことを示す、すばらしいエピソードですね」と語っています。
  • バーリントン・アーケードは昔から、香水、宝石、時計といった高級品の店が軒を連ねています。ここに、高級腕時計ロレックスのユーズド品の、世界最大のコレクションを扱っている店があることをご存じですか?25年前にオープンしたビンテージ・ウォッチ・カンパニーという店です。

  • イギリスで最古かつ最小の警察組織だったビードル。発足当時のビードルによって、バーリントン・アーケードならではの特別な規則が定められました。例えば、歌を歌ってはいけない、ハミングしてはいけない、口笛を吹いてはいけない、自転車に乗ってはいけない、とにかく、騒々しいふるまいは一切してはいけない、という規則です。

    ただしこのルールの例外が認められた人が、これまでにふたりいました。ポール・マッカートニーと、ジェイデンです。

  • 「ジェイデンって誰?」と思われたかもしれませんね。ポール・マッカートニーと肩を並べる世界的ミュージシャン……というわけでは全くない若い青年ですが、彼は伯父さんのおかげで、ポールと同じVIP特権を享受することになりました。ジェイデン君がまだ子どものころ、伯父さんは歴史好きの彼を連れて、マーク・ロードさんと一緒にバーリントン・アーケードを歩くプライベートツアーにやってきました。そのとき、マークさんはツアーの途中で、「学校でいい成績を取ったら、アーケードで口笛を吹くことを正式に許されたふたり目の人にしてあげる」と約束したのです。数年後、伯父さんが再び訪れて「ジェイデンはちゃんと約束を守った」と保証したので、ジェイデン君と伯父さんはアーケードに招かれ、特別許可証が手渡されたのです。

 

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