カラフルな旅の行き先:ベネチア

21 Nov 23

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Colourful destinations: Venice - GLOBE-TROTTER

ポップカラーコレクションの新発売を記念して始まった全3回のトラベルガイド。最終回は、昔々のおとぎ話のような街、ベネチアの知られざる魅力を紹介します。

グローブ・トロッターは、新しいコレクション、ポップカラーコレクションの発売を記念して、3つのシグネチャーカラーにまつわる旅行ガイドシリーズを開始しました。今回注目する色、ブルーは、空、海、広々とした空間、自由を連想させ、まさに旅の象徴とも言える色です。中でもグローブ・トロッターが新コレクションに採用したパステルブルーは、世界一ロマンチックで特別な街、ベネチアの街を蛇行する水路の流れをイメージさせます。作家でトラベルライターのデビッド・アナンドさんが、水に浮かぶ魔法の街ベネチアの、知る人ぞ知る真の魅力を紹介してくれました。

ポップカラー・キャリーオン&チェックイン | パステルブルー
旅の行先: ベネチア(イタリア)

ベネチア

ベネチアについてあなたがこれまでに聞いてきた話は、すべて本当です。とても美しくてロマンチック。建物やインテリアも最高。ゴンドラに乗ってカナル・グランデを下る楽しさは、世界広しと言えどもここでしか味わえない特別な体験です。

しかし、残念ながら聞こえてくるのはいい話ばかりではありません。混雑がひどすぎる、法外な値段のレストランがたくさんある、住民たちは(無理もないことですが)観光客に辟易している、といったうわさもまた、本当です。とは言え、それは主に7月から8月のハイシーズンだけのこと。加えて、最近は厄介な大型クルーズ船の入港が禁止されたおかげで、住民も観光客も少しほっとしています。混雑が比較的少ない秋から春にかけてのシーズンなら(洪水の可能性は少し高まりますが)、「ラ・セレニッシマ(極めて平穏な国)」と呼ばれるベネチア本来の、壮麗な魅力を感じられるでしょう。

楽しむ

ベネチアは名所だらけです。大勢の人でにぎわうサンマルコ広場は言うまでもなく、歴史的な内装が素晴らしいドゥカーレ宮殿、ペギー・グッゲンハイムが集めた世界最高レベルの美術品コレクションなども有名です。やや値の張る定番の観光地をひととおり見終えたら、今度は、知る人ぞ知る隠れた名所を訪ねてみましょう。フォルチュニ美術館 は、多彩な才能を発揮して活躍したデザイナー、マリアノ・フォルチュニの美術館で、彼自身が20世紀前半に住んでいたペーザロ・オルフェイ邸の中にあります。ここでは重厚なダマスク織で作られた鮮やかで豪華な壁掛けのコレクションや、壁一面に展示された絵画を見学し、至る所でベネチアらしいマキシマリズムを体感することができます。ビエンナーレ庭園 は、世界最高峰の芸術の祭典であるヴェネチア・ビエンナーレの開催年(次回は2024年)には世界中から見学客が押し寄せますが、オフの年に訪れれば、美しい庭園を散策しながら、アルヴァ・アアルトの北欧らしい建物など各国のパビリオンや、カルロ・スカルパの彫刻庭園などを間近で見ることができます。

食べる

ベネチアでおいしい料理を食べたいなら、まず必要なことは、サンマルコ広場の人混みを避けることです。さほどサービスも良くないのに値段の高い、観光客目当ての店も多いですからね。お勧めしたいのは、古くから労働者階級が住むベネチア北部界隈です。バーカロと呼ばれる庶民的なバーでは、雰囲気のある店内で、どっしりと食べ応えのあるさまざまな料理を小皿にのせたチケッティと呼ばれる料理が提供されます。どれも、ベネチアが古くからの交易の拠点で、スパイス輸送の中継地であり、多様な文化のるつぼであったからこそ生まれた料理です。ノーヴァ通りのにぎわいから少し離れたカンナレージョ地区のカ・ドーロ・アッラ・ヴェドヴァ は、気取らない明るい雰囲気のバーカロで、町一番のミートボールを提供しています。あるいは現代的な進化版のバーカロを体験したいなら、サンタクローチェ地区の キャンティーナ・アルナルディ で、ブレザオラ(牛肉の生ハム)とチーズを盛り合わせたプレートや、豊富な品ぞろえのグラスワインにトライしましょう。また、テラスで優雅にランチを、という方にお勧めしたいのがコルテ・スコンタです。この店の中庭はブドウの木の枝が屋根のように広がり、洗練された客たちがスパゲッティ・アッレ・ボンゴレや有名なベネチア風ツナに舌つづみを打っています。

泊まる

ベネチアのホテルはどこよりも壮大で豪華ですが、それだけに値段もまた壮大かつ豪華です。しかし、ベネチアの中でも静かなドルソドゥロ地区の先端にひっそりとたたずむ優雅なホテル、カ・マリア・アデーレなら、手ごろな価格でベネチアらしい風格のある滞在が叶います。ムラーノ製のシャンデリア、華やかな壁紙、深みのある配色、至る所に見られる重厚なファブリックなど、カ・マリア・アデーレのインテリアは、まさに壮大かつ大胆です。ボート用のプライベート桟橋も備わっているので、空港からプライベートの水上タクシーを予約して、颯爽と乗り付けることも可能です。新しい現代的なホテルがいいという方には、フランスのおしゃれなホテルグループが運営するイル・パラッツォ・エクスペリメンタル がお勧めです。曲線的な家具・調度品の数々や、爽やかな赤と白のストライプのファブリックなどが特徴で、ホテル中に80年代イタリアの雰囲気があふれています。館内のレストラン、アドリアティカでは、現代イタリア料理のメニューを厳選して提供しています。しかし、何といっても注目すべきはクリスティーナ・チェレスティーノの設計によるバーです。ここではバーテンダーが、有名な「エクスペリメンタル(実験的な)カクテル」を作っています。

買う

レム・コールハースが率いるOMA建築設計事務所が16世紀の貿易商館をリノベーションし、最先端のショッピングエリアに生まれ変わらせました。T フォンダコ・デイ・テデスキは は今、ベネチアで最も美しい、いや、世界一美しい商業施設と言っても過言ではないでしょう。世界のファッション界をリードするトップブランドが勢ぞろいしているだけでなく、選び抜かれた地元の製品を扱うショップや、フィリップ・スタルクがデザインしたカフェなども入っています。屋上のテラスはベネチア市内を見渡すことができる最高のビュースポットのひとつになっていて、予約をすれば15分間無料で利用できます。サンマルコ広場から北へ歩いてわずか2分のところには、19世紀創業のチョコレート専門店兼ジェラテリアのヴェンキがあります。職人が毎日つくるフレッシュなジェラートをコーンに盛り付けて、ジェラートのトッピングとしてはあまりにも高級すぎる、ヴェンキのシグネチャー・チョコレートをてっぺんに添えて提供してくれます。

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